竹島(韓国名・独島)の領有権をめぐり、韓国側が自国領の根拠の一つとする日本海軍水路部が一八九四年に刊行した「朝鮮水路誌」について、下條正男拓殖大教授が「韓国側の解釈の誤りを立証できる」とする海図の存在を関係者に示し、注目を集めている。 下條教授が立証できるとする海図は、海軍水路部が英国の海図を基に九三年に作製した「北洲及北東諸島」。北海道とその北東部に位置する樺太(ロシアサハリン州)などが描かれている。 着目したのは、北海道奥尻島近くの「ワイウォダ岩」。朝鮮水路誌には「ワイオダ岩」として登場し、日本海を説明する項目に竹島を表す「リアンコールト列岩」、現在は韓国領の鬱陵島とともに記載されている。 韓国側研究者は、朝鮮の領域や水路を網羅した朝鮮水路誌に、リアンコールト列岩と鬱陵島が詳細に説明されていることから、当時の日本海軍は竹島を朝鮮領として認識していたとして、自国領の根拠に挙げている