政治制度論の最新潮流 活気にあふれる「関西政治学」から、またも政治制度論の力作が現れた――。 本書を読み、まず脳裏をよぎったのはこんな思いだ。「関西政治学」などというくくりや呼称は聞いたことがない、見当外れだ、とお叱りを受けるなら、アカデミズムに疎い記者の不作法としておわびしたい。 それでも強調しておきたい。ここ数年、京都大学の待鳥聡史教授を筆頭に、同じく建林正彦教授や曽我謙悟教授、神戸大学の砂原庸介教授ら関西を拠点とする政治・行政学者が意欲的な著作を相次いで世に問うている(1)。 これらに共通するのは、平成期に日本の統治構造を劇的に変容させた政治改革や橋本行革といった大掛かりな制度改革と正面から格闘する気構えだ。現場記者の視野では届かない斬新な切り口や説得的な論理で、どれも読み応えがある。 永田町や霞が関から適度に離れているせいもあるのだろうか。政治の現場やメディアなどからの生煮えの政局
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