ニホンウナギの人工種苗生産研究を進める新日本科学(本店・鹿児島市)は、和泊町に昨秋開設した沖永良部島事業所で、天然海水による稚魚(シラスウナギ)の人工生産に成功した。「量産化の技術確立に向けて準備が整った」として、2023年までに1万匹の生産を目指す。 【写真】沖永良部島事業所で誕生した稚魚(新日本科学提供) ニホンウナギは絶滅の恐れがあり、天然の稚魚の採捕量は減少傾向が続く。官民で人工稚魚生産の研究が進んでいるが、ふ化後に稚魚まで育てるのが難しく、量産化の壁になっているという。 医薬品開発受託・研究の新日本科学は14年、鹿児島市で研究を開始。17年には人工海水を使った閉鎖循環システムで稚魚生産に成功、18年からは指宿市に薩摩うなぎ研究所を設け、大量生産に向けた研究を進めてきた。 沖永良部島事業所は昨年10月、天然海水による実証研究施設として伊延港近くに設置した。親ウナギから採取した卵と精