今の日本にも狼信仰が生きている。100年以上前に絶滅したニホンオオカミ。しかし、この獣が実はまだ生きていて不思議な力を放っている。まだ目撃談はいくつも存在する。そういう情報をたどって伝説の獣ニホンオオカミを見ようとして人々の物語。 1996年10月、埼玉県秩父市浦山の林道でニホンオオカミが崖をのぼり、道で佇んで車を方を見てきたという。それは八木博により写真にも撮影された。体長は1メートルあまり。精悍な顔つき、ツヤツヤとした毛並み、1分近く立ち止まっていた。ただの犬とは見間違えるはずもない。 ニホンオオカミは体長1メートルあまりで世界最小のオオカミ。大陸オオカミの亜種とも日本固有の種ともいわれている。明治38年最後の1頭が死に、絶滅したと伝えられている。 秩父市の目撃は全国紙のトップを飾ったが、専門家は冷淡な反応を示している。犬とオオカミを見た目で見分けるのは至難の業だという。ニホンオオカミ