何週間か前に週刊金曜日で福沢諭吉批判の特集記事が載った事がありました。「脱亜論」はじめとして朝鮮侵略を煽り立てた福沢への当然といえば当然過ぎる批判なので、これ自体は最近の同誌にしてはまあそんなに悪くない企画でしょう。が、週刊金曜日は「福沢諭吉伝説」の著者・佐高信が社長として取り仕切っている雑誌。同著で佐高は「脱亜論を覆す」とまで言って、福沢の朝鮮侵略を彼の本意ではなかったかのように弁明していました。それこそ見ている側が苦笑したくなるほど必死になって。佐高信が福沢をあそこまで必死になって擁護・正当化する大きな理由の一つは、彼が慶応大学出身の「慶応閥」という事にあります。慶応大学では福沢諭吉批判は最大のタブーとされ、内部では福沢以外の人間を「先生」と呼んではいけないという不文律まである事は比較的有名ではないでしょうか。早稲田大学の内部でさえ大隈重信批判は可能である事を考えれば、慶応閥の閉鎖性は