上杉隆(ジャーナリスト) 【第54回】 2008年11月20日 10兆円拠出してもコケにされ続ける、 日本外交のいつもの敗北 先週末(11月14日)からワシントンで開かれていた「世界金融サミット」は、15日、閉幕した。G20と世界銀行、IMF(国際通貨基金)、UN(国連)、FSF(金融安定化フォーラム)などの国際機関が参加して、未曾有の金融危機を救おうという試みは、金融安定化を謳った「首脳宣言」を採択してひとまず着地した。 日本から出席した麻生首相は、会議冒頭、IMFへの1000億ドル(約10兆円)の融資を約束した。同日(14日)発行の「WSJ」(ウォールストリートジャーナル)に寄稿したものと同じ内容である。 その前日(13日)、パキスタンへの5億ドル融資を発表した中国と比べても、日本の貢献は、金額・規模とともに十分すぎるほどのものであった。 ブレトンウッズ体制の終焉が叫ばれている