雑誌の商品としての確立を目指したマーケティング会議 また、宝島社は2007年に付録も含めた全ファッション誌をマーケティングの視点から見直し、これまで書店やコンビニの雑誌棚まで足を運ばなかった人たちを、付録によって読者に取り込む試みを始めた。縮小する雑誌マーケットを競合誌と取り合っても消耗戦になるだけ、と判断しての方針転換である。 宝島社のファッション誌のマーケティング重視姿勢を象徴するのが「固定された定価がない」ことだ。例えば、前号で780円だった雑誌が、今回は650円、次号は730円と変動していく。ほぼ130円のレンジで毎号変動するのだ。 これは蓮見清一社長のほか、各部署の責任者が集まるマーケティング会議を雑誌ごとに毎月開き、雑誌の価格を決めている。得てしてこの種の会議は、編集長や編集部員に販売不振の責を問う“吊るし上げ会議”、もしくは編集部を上部からコントロールする“メタ編集会議”にな