2. 音楽ジャンルとしてのトランス 前編において、「『トランス』という言葉の持つ意味の二重性」のうちの「そもそもの意味としてのトランス」について触れた。後編では、「音楽ジャンルとしてのトランス」について見てみたい。 いわゆる「トランス」と呼ばれるクラブミュージックには、大きく分けて二つの潮流がある。二つの誕生と育ちは違うとされているが、現在までの過程において、互いの影響があったことは否定しようがない。 エピック/ユーロトランス 95〜98年頃までは「トランス」と言えば「ゴア・サイケデリック系」のことを指していたが、現在ではこの「エピック・ユーロ系」を指すのが一般的であるのが実情である(一般層において)。これも「エピック」と「ユーロ」をひとくくりにしてしまっているが、もともと「エピックハウス」「ドリームハウス」などと呼ばれていたものが、今ではジャンルがかなり増えたため、その総称としてこの言葉