「とても面白いから行きなさいね。約束よ」 交換留学で日本から帰ってきた女学生と交わした言葉が、米首都ワシントンのジョージタウン大学で教壇に立つ日本研究者の原点となった。海さえ見たことがなかった中西部イリノイ州の高校生は37年前、「映画のようだ」と思いながら羽田に降り立った。 長野県上田市で学生服を着て学校に通う。中国、韓国と日本の区別もつかなかったのに、1年後には日本の大学への進学を考えた。 親の反対で帰国はしたが、「日本とは何か」を究明する道へ。大学では日本に親しみを抱く反共産主義者の韓国系教授に日本史を学び、大学院は一転して、日本研究では左派色の強いシカゴ大に進み、博士号を得た。独特の経験が独自の視点を育むことになる。 「日本のナショナリズムは、民族ではなく国民の連帯に基づく健全なもの。日の丸や君が代のもとで一体になる市民的ナショナリズムだ」と肯定する。 首相による靖国神社参拝も、中国
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