東日本大震災で壊滅的被害を受けた養殖漁業の再生に向け、村井嘉浩宮城県知事が提起した「水産業復興特区」=?=の波紋が拡大している。県漁協は漁業権を民間企業にも与える特区構想に猛反発し「地域を荒廃させる」と、知事に撤回を要求した。知事は民間投資なくして水産業の復興は難しいと訴え「間違った提案はしていない」と撤回を拒否。両者の対立が先鋭化している。 特区構想は今月10日、村井知事が政府の復興構想会議で提起した。県漁協がほぼ独占する養殖漁業の特定区画漁業権を、地元漁業者が株主や社員となる法人にも与えるべきだと主張した。 突然の表明に県漁協は激怒。木村稔会長ら役員15人が13日、県庁に押し掛け「会社組織は漁業に合わない」と批判し、文書で撤回を求めた。 知事は「県漁協の下でやりたい漁業者もいれば、民間企業と一緒にやりたい漁業者もいる。選択肢を増やすのが特区創設の目的だ」と訴え、議論は平行線をたど