東京・築地の中央卸売市場で５日早朝、新春恒例の初競りが行われ、青森・大間産の本マグロ１本が史上最高値を２０００万円以上も上回る５６４９万円で競り落とされた。 記録が残る１９９９年以降、これまでの最高値は昨年の北海道・戸井産の本マグロ１本３２４９万円。近年は海外業者も目立っていたが、今年は首都圏などですし店「すしざんまい」を展開する喜代村（東京都）が最高値で購入した。 この本マグロは２６９キロで、喜代村によると、握りずし１個に換算すると１万５０００円程度になるが、店舗では１３４～４１８円の通常価格で販売するという。木村清社長（５９）は「東日本大震災などで元気を失いかけた日本の皆さんに最高のマグロを届けたかった」と笑顔を見せた。

以前アルバイトをしていた飲食店の４０代の女性経営者に嫉妬し、店に向かって生卵などを投げて路上に散乱させたとして、大阪府警此花署は５日、廃棄物処理法違反（不法投棄）容疑で、大阪市此花区梅香の訪問介護員、進藤かすみ容疑者（４９）を逮捕、送検したと発表した。　同署によると、進藤容疑者は「女性経営者が、自分が好意を抱いている男性客と仲良くしていることに焼き餅を焼いた」と容疑を認めているという。　送検容疑は、昨年９月１６日午後７時ごろ、同区内の店に向けて生卵数個を投げたほか、１０月４日午後８時１０分ごろには、同様にラップで包んだカレー約５０グラムを投げたとしている。　同署によると、いずれの犯行も、進藤容疑者が好意を抱いている５０代の男性が来店していたときだった。進藤容疑者は「（カレーは）男性に食べてもらおうと思って作っていたもの」と話しているという。　昨年７月に、女性経営者が「生卵が店の前に数回投げ

「素材が持つ本来の味」を大切にし、フランス料理の新たな魅力を世界中に広めた巨匠、アラン・デュカス氏（５５）。３３歳でミシュランの３つ星を獲得して以来、世界中でレストランを開業し、成功へと導いてきた。昨年秋には、家庭向けに考案された「アラン・デュカスのナチュールレシピ」の日本語版を出版。デュカス氏が大切にしている「シンプルであること」とは何か、話を聞いた。　グランメゾンのシェフであり、フランス料理界の巨匠でもある。そんなデュカス氏の料理の原点は「自然（ナチュール）」にあるという。今回出版した書籍では、デュカス氏が家族や友人を招いたときに振る舞う家庭料理・１９０レシピが掲載された。　「地元の生産者が作ったすばらしい食材を、生産者の顔や土壌などを知ったうえで仕入れる。これは私の料理の原点であり、哲学でもあります」　レシピを開くと、色とりどりの野菜や香料、魚を使った料理が並ぶ。果物を使ったスープや

海のない埼玉県が津波被害を想定 1月5日 18時19分 東日本大震災を受けて、埼玉県は、地震で東京湾が津波に襲われ、荒川をさかのぼったときに備えて、海のない県としては初めて津波の被害を想定することになりました。台風などで川の水位が上がった状態で津波に襲われた場合の浸水範囲や死傷者の数などを想定し、防災計画に役立てる方針です。 埼玉県によりますと、東日本大震災で、東京湾の河口からおよそ２８キロ離れた戸田市の荒川の水位はおよそ５０センチ上昇したことが確認されたということです。埼玉県は、太平洋や東京湾を震源とする地震で東京湾が津波に襲われ荒川をさかのぼる可能性もあるとして、専門家による検討委員会を来年度・平成２４年度にも設置し津波による被害を想定することにしました。委員会には歴史の専門家にも参加してもらい、過去の文献なども参考にしたうえで、台風などで川の水位が上がった状態で津波に襲われた場合の浸

水産物や野菜などを扱う全国の主な卸売市場で5日早朝、今年初の取引となる「初競り」が行われた。東京・築地の中央卸売市場では、1本269キロの青森県大間産クロマグロが5649万円（1キロ当たり21万円）で競り落とされ、これまでの最高値だった昨年の3249万円（同9万5000円、北海道戸井産）を大幅に上回った。落札したすしチェーン店「すしざんまい」運営の喜代村（東京）が明らかにした（栗橋隆悦撮影）

紋別漁協、市に2000万円の大型寄付 （1月5日付け） 紋別漁業協同組合（阿部滋組合長）は昨年12月29日、紋別市役所に宮川良一市長を訪ね2000万円を寄付した。阿部組合長から宮川市長に「漁業振興に活用していただきたい」と目録が手渡された。市側からは棚橋一直副市長や水産課職員らも対応に当たり「大切に活用させていただきます」と感謝していた。 阿部組合長は「今年は予想以上に良い結果で終わることができた。秋サケもオホーツク管内だけ好漁で、来年も頑張って寄付をしたい」と漁獲高に手応えがあった1年を振り返り、「漁協と沿岸漁業者からです」と気持ちを伝えた。同漁協の廣崎晴介専務理事と山田和英参事も同席し、次年度の豊漁へ期待を寄せていた。 紋別漁協は昨年、魚価高などに恵まれ、90億円に迫る水揚げを記録した。秋サケ漁は全道的に見ると振るわなかったが、紋別は金額で前年比100.90パーセント（昨年11

経済 ブランド化へロゴマーク　沖縄美ら海まぐろ2012年1月5日  Tweet 「沖縄美ら海まぐろ」のロゴマーク 県産ブランドマグロ「沖縄美ら海まぐろ」のロゴマークをＰＲする関係者＝４日、那覇市の泊魚市場　沖縄鮮魚卸流通協同組合（當山清理事長）は４日、那覇市の泊魚市場に水揚げされるブランドマグロ「沖縄美ら海まぐろ」のロゴマークを発表した。 　県産マグロのブランド化を図る「沖縄美ら海まぐろブランディング事業」の一環。當山理事長は「ロゴマークを宣伝してブランド化を図る。沖縄から県外へさらに販路を拡大したい」と強調した。 県内で水揚げされる主要なマグロはクロマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロの４種類。漁獲量は県内の魚介類で最も多く、２００９年度は全国３位とトップクラスを誇る。 同市場のブランド基準では、「沖縄美ら海まぐろ」とは沖縄近海や南方の海域を漁場とし、はえ縄やパヤオ（浮

地域 環境に優しい漁を　国頭漁協、電動漁船が進水式2012年1月5日  Tweet 実証試験のため導入された電動漁船に乗る宮城馨村長ら関係者＝１２月２９日、国頭漁港　【国頭】電気を動力とする船外機（モーター）をつけた漁船を使う実証試験が１２月２９日、国頭村で始まった。アイティオー（本社愛媛県、伊藤清重社長）などの研究機関コンソーシアム（共同事業体）と国頭村漁協（大嶺嘉昭組合長）が連携する。同漁協が２３年ぶりに復活させた定置網事業も同日スタートし、二酸化炭素（ＣＯ２）を排出せず環境に優しい漁を行う。 国頭漁港で同日、進水式があり、宮城馨村長をはじめ関係者ら４０人が参加した。 アイティオーの船外機は電池と電動モーターを組み合わせ、１回充電（約５時間）すると、巡航速度（時速１０ノット＝約１９キロ）で４時間稼働できる。最高速度は２４ノット＝約４５キロ。 伊藤社長は「車もハイブリッドの開発が進

人々の胃袋を支えた市場の変遷を振り返る写真展「ヨコハマの台所～横浜市中央卸売市場の80年」が４日、横浜市史資料室（横浜市西区老松町の市中央図書館内）で始まった。３月４日まで。 同市場の本場（神奈川区）が１９３１年の開設から昨年で80年を迎えたことを受けて企画された。 展示写真は同資料室所蔵を中心に約１００点。年代ごとに展示され、市場の移り変わりを感じさせる内容となっている。 市場にやって来る買出人の交通手段は、30年代はトラックや自転車、タクシー、60年代には三輪トラック、70年代には現在のトラックに。商品の容器は、60年代に木おけや木箱だった魚の容器は、80年代は発泡スチロールに。70年代は、大根やカブは野積み、葉物は籠、トマトやキュウリなどは産地で規格化された段ボール箱と混在している。 近年、小売店や飲食店の大型化やチェーン化で競り前取引や市場外取引が増えたり、交通網の発達で東

アパラチコラで過ごす優雅な時間 メキシコ湾沿いの入り江に面した米フロリダ州の小さな町アパラチコラ。こじんまりした海辺のホテルに宿泊し、バーで新鮮なシーフードを味わえるほか、地ビールの醸造所もある。綿花や漁業で栄えたこの町には、グリークリバイバル（ギリシャ建築への回帰）様式の優雅な住宅が散見される。数キロの沖合に浮かぶセントジョージ島には白い砂浜が広がる。

世界最速のスーパーコンピューター「京」を活用し、巨大地震・津波の複合災害を総合的に予測するシステム開発に、東京大学地震研究所が今年４月から乗り出す。 震源域ごとに約１０００通りの巨大地震・津波の発生パターンを分析し、精緻な被害想定や住民の避難につなげる。 同研究所は「想定外を無くす」ことを目指し、「巨大地震津波災害予測研究センター」を今年４月に発足させる。ここで地震・津波の発生や建物被害、避難状況など、従来はデータ量が多すぎるために別々に行っていた分析を統合し、より現実に近い予測システムを構築する。具体的には、個々の建物の形状や構造のデータなども「京」に入力し、地域全体の建物被害を計算。揺れで建物が倒れ、道路が不通になった場合なども想定して、津波襲来時の住民の避難予測にも反映させる。

経済 威勢良く初競り　那覇・泊魚市場　ご祝儀相場にマグロ高値2012年1月4日  Tweet 威勢の良い掛け声でマグロなどを次々と競り落とす仲買人ら＝４日午前５時ごろ、那覇市の泊魚市場　那覇市の泊魚市場で４日午前５時ごろ、初競りがあった。鏡割りで景気を付け、航海の安全と豊漁を願った後、仲買人約５０人が威勢の良い掛け声でマグロやカジキなどを次々と競り落としていた。 　１月のマグロの取引価格は通常、高値で１キロ当たり２０００円だが、この日の初競りでは、ご祝儀相場でメバチマグロに３１１０円の値が付いた。 初興しでは、県漁業協同組合連合会の国吉真孝会長が「燃油や資材などのコスト高から収益減が目立ち、そのため後継者不足の状態にあり、大きな課題となっている。水産業界が活性化していくために切磋琢磨しつつ、できるところから力をつけ直す必要がある。本年も努力邁進していきたい」とあいさつした。 沖縄市から

境漁港（境港市）の２０１１年の取扱高（速報値）は、全国の主要２３漁港中、数量で３位だったことが、境港水産振興協会のまとめで分かった。東北の漁港が東日本大震災で被災した影響もあるが、境漁港の漁獲量は２年ぶりに前年を上回り、ベスト３に入るのはマイワシ豊漁で１位だった１９９６年以来１５年ぶり。金額は９位だった。 【詳しくは本紙紙面をご覧ください】 ('12/01/04 無断転載禁止)

環太平洋パートナーシップ協定（ＴＰＰ）は環境分野のルール整備も交渉対象になっている。貿易・投資を促進させるために環境規制を緩和しないことなどが議論されている。 日本が最も懸念するのは漁業補助金の原則禁止を求められる事態だ。世界貿易機関（ＷＴＯ）は、貿易をゆがめる恐れがある国内産業への補助金のあり方を議論してきたが、漁業補助金について米国などが「乱獲につながる」と主張し、日欧などは「過剰漁獲につながる補助金のみ禁止」と反論してきた。米国などはＴＰＰ交渉でも漁業補助金禁止を取り上げる方針だ。 原則禁止になれば、漁港や水産加工施設の整備、漁業者への所得補償など幅広い分野に影響が及び、漁業関係者は「漁港が壊滅的な打撃を受けた東日本大震災の復興の支障になりかねない」と警戒する。全国漁業協同組合連合会は昨年１１月、ＴＰＰ反対集会を開き、「関税と補助金のどちらがなくなっても困る」と訴えた。 また交渉では

津波に負けず立ち続ける　辰の松、復興へ導け　気仙沼 竜の形をしていると評判を集めている松の木＝気仙沼市波路上の岩井崎 ことしのえとの辰（たつ）の形をした松の木が、宮城県気仙沼市波路上の岩井崎にあり、話題になっている。東日本大震災の津波に負けずに立ち続ける姿が共感を呼び、住民らは「気仙沼の復興のシンボルにしたい」と話している。 　松は高さ約２．５メートル、幹回り約１．７メートル。津波で枝は流されたものの、大きく曲がった幹部分は残った。角度によっては、２本の角とひげを蓄えた竜が今しも飛び立つような姿に見える。 　近くの琴平神社に初詣に訪れた参拝客が見つけ「竜の形によく似ている」と三が日の間、評判になった。松の木の前で記念写真を撮る親子連れもいたという。 　写真を撮りに来た同市長磯の農業佐藤美千夫さん（６７）は「力強く立っている姿に感動した。陸前高田の一本松のように、復興のシンボルになればいい」