職場に1通のレターパックが届いた。依頼主は記載されていない。中身は届くとは思っていなかった「先生」の本。めくると5000円分の商品券がパラパラと落ちてきた。「先生」を追ってきたはずの自分が逆に付け入る隙(すき)を探られている?――。私(記者)はこの2週間前から「先生」の投資グループに参加していた。より正確に言うと、だまされてみていた。 入り口はショートメッセージ 「AIの分析に基づく株を毎朝8時に推薦」。スマートフォンのショートメッセージに送られてきた1通の広告。実在する証券会社名も書かれている。リンクをタップすると、通信アプリ「LINE(ライン)」上のグループに誘導された。「優良株をシェアして参加メンバーが大きな利益を上げている」 疑ったのはSNS(ネット交流サービス)型投資詐欺だ。ここ1年ほどで激増し、全国の被害は1~6月だけで506億円超とされる(警察庁発表)。なぜ大勢がのめり込むの