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裁判員制度の「成功」について - 内田樹の研究室
寺子屋ゼミでは前田さんの「裁判員制度」についての発表。 この制度の趣旨は理解可能なのだが、いったい... 寺子屋ゼミでは前田さんの「裁判員制度」についての発表。 この制度の趣旨は理解可能なのだが、いったいどういう歴史的文脈の中で策定されたものなのか、ほんとうのところいったい「何を」実現しようとしているのか、そこがよくわからないと発表者は言う。 たいへんな手間暇とコストをかけた制度改革であるし、裁判員に選任された市民たちの負担も軽いものではない。そうである以上「こんな『いいこと』がある」あるいは「こんな『悪いこと』が除去される」というメリットの開示があってよいはずである。 それが、ない。 私自身もこの制度の議論ははじめのころから追ってきているが、「裁判員制度が始まると、司法はもっと身近になります」(法務省HP)以上の「よいこと」を示された記憶がない。 司法が市民の身近になるのはよいことである。 司法判断と市民感情のあいだの乖離はできるだけ少ない方がいい。 それに反対する人はいない。 でも、それは
2013/02/09 リンク