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通俗日本論の研究①:堺屋太一『峠から日本が見える』
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通俗日本論の研究①:堺屋太一『峠から日本が見える』
本連載では、作家・評論家などが執筆した通俗的な日本論の分析を行っていく。ファクトチェックによって... 本連載では、作家・評論家などが執筆した通俗的な日本論の分析を行っていく。ファクトチェックによって間違いをあげつらうのではなく、なぜそのような日本論が当時発表されたのかという、社会的な背景についても考察していきたい。 俗に「プレジデント史観」という言葉がある。『プレジデント』などのビジネス誌にしばしば載る、歴史の教訓をビジネスに活かそうという記事の総称である。「織田信長に学ぶリーダーシップ」「坂本龍馬に学ぶ交渉術」といった類の記事を目にした方は多いだろう。 こうした記事がいつ頃から量産されるようになったかはまだ調べていないが、元祖「プレジデント史観」論者と言えば、堺屋太一になるのではないか。説明するまでもないが、堺屋太一は通産官僚から小説家・評論家に転じ、以後も経済企画庁長官に就任したり橋下徹を支援したりするなど政界にも深く関与した、多彩な活動で知られた知識人である。大阪万博・沖縄海洋博など