『オモシロイハナシ』

面白い話と言えば 中学の確か一年だっただろうか 社会の先生が人気者だと噂があり 話が面白いのだと、確か教科は地理だったか で、みんなが「なにか面白い話しをしろー」 というわけでしぶしぶと 「真っ白い犬がいんたんだ、でな、尾も白い」 摩周湖の水面のように静まり返る教室 極寒のオホーツク海となる教室、キタキツネが流氷に乗っている 生徒は皆、その体で釘が打てるほどに氷つく 誰一人して身動きはもちろん口を開けることもできなかった 下手に動くと遭難する その静まり返っった世界で動けるのはたった一人 「んじゃ、今日は43ページでえーと4月16日だから出席番号の16番は・・・ 鈴木(仮名)、読んでみろ」 うやむやのうちに力ずくで授業を始める この寒さでは寝る事は死を意味する 老練の教師に敗北した1年いちご組みの生徒40人 そして3年が経ち卒業式 40人で味わった敗北と寒い話を聞きながら窓から見えたテニス