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スコット・ケアリーは、毎日7分の1インチ(約3.6ミリ)ずつ縮んでいた。既に害虫よりも小さくなり、自... スコット・ケアリーは、毎日7分の1インチ(約3.6ミリ)ずつ縮んでいた。既に害虫よりも小さくなり、自宅地下室で先の見えない日々を送っている。自らの試算では、あと6日で〝消滅〟する。半ば諦めの境地にいながらも、本能は生き続けようともがいた。目下の最大の敵は、執拗に狙ってくる邪悪な蜘蛛だった。逃げてばかりでは、いつか餌食となる。ようやく男は対決する覚悟を決めた。その前に飢えをしのがねばならないが、食料のある場所は、そびえ立つ魔の山のような頂にあった。スコットは己の大きさほどもあるピンや糸を使い、はるかな上を目指して一歩を踏み出す。 タイトル通り、身体が縮んでいく男を描いた1956年発表作。ジャンルとしてはSFだが、〝異世界〟を舞台にサバイバルを繰り広げる冒険小説としても読める。 ストーリーは、異変後の回想を交えつつ進む。スコットは退役軍人で、たいした仕事に就けず不安定な毎日を送っていた。家族は
2014/08/11 リンク