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『21世紀の自由論』自由と不自由と非自由と - HONZ
正直、リベラルとか保守とか、その手の話からは距離を置きたいというのが本音である。一言で言えば、や... 正直、リベラルとか保守とか、その手の話からは距離を置きたいというのが本音である。一言で言えば、ややこしいからだ。左右を問わず角度のついたスタンスからの発言は力強いし、もっともらしく聞こえることも多い。そんな中で、内側のスタンスから中庸なことを物申しても、無力感が伴うだけだろう。その実行力はともかく、立ち位置の格差というものが確実に存在するのだ。だからサイレント・マジョリティが、大量製造されていく。 これは言い替えれば、「言葉が、議論する力を失いつつある」状況とも言えるだろう。見聞きする多くの言論は、何を軸に議論をしているのか、そういったプロトコルがあまりにも見えてこない。そもそも一人の人間と一つの思想が、一対一対応しているという前提にも無理があるのではなかろうか。 このような混迷きわまる政治哲学の現状を鮮やかに喝破してくれるのが、本書『21世紀の自由論』だ。ジャーナリスト・佐々木俊尚氏が、
2015/06/15 リンク