#最後の１年：明大ラグビー部司令塔、故障に心乱れ 夜の街へ向かおうとした、その時 | 毎日新聞

勝負の世界に「もしも」はない。だが、あの試合に彼がいたなら、流れを変えたかもしれない。大学ラグビー界屈指の司令塔と称された明治大のSO山沢京平（22）＝政治経済学部4年。集大成のラストシーズンは一度も出場することなく幕を閉じた。朝の冷気がシーズン到来を告げていた昨秋。相次ぐ逆境に心はささくれ立ち、夜の歓楽街に足が向かおうとしていた――。 世界の名将をうならせる逸材 山沢は熊谷ラグビー場のある埼玉県熊谷市出身。中学で競技を始めた。県立深谷高では3年連続で全国高校大会に出場し、高校日本代表に選ばれた。身長176センチ、体重85キロとラグビー界では小柄だが、巧みなパスやキック、卓越したボディーバランスで多彩な攻撃を演出する。明大では1年時からレギュラーとして活躍し、2年時に22大会ぶり13回目の全国大学選手権制覇に貢献した。 器の大きさを物語るエピソードがある。2007年ワールドカップ（W杯）フ