24色のペン：「選ばれない国」と日本＝和田浩明（川崎支局） | 毎日新聞

「日本の人たちには本当によくしてもらった。残れればよかったんですが……」。そう話すショアイブさん（33）の表情は、ドイツで待つキャリアへの期待と、1年半で終わった日本滞在への複雑な思いが、入り交じっていた。10月初旬の成田空港――。 アフガニスタンの出身。2021年夏に復権した排他的なタリバン政権の弾圧を恐れ、日本に逃れて来た元留学生の一人だ。タリバンは日本を含め外国とつながりのある人々を敵視し、仕事を奪ったり殺害したりしたといった事例が報じられている。 ショアイブさんも公務員の職を失い、命の危険を感じた。修士号を得た西日本の大学関係者の支援を受け、新型コロナウイルス感染症の流行にともなう入国制限などの困難を乗り越え妻子と22年春に来日した。私がオンラインで接触してから約4カ月目。厳しい生活への不安を吐露していた彼から、ようやく「日本に到着した」という朗報を受け取った時は、熱いものが胸にこ

[deep_one]

「長期ビザを発給してくれなければ子どもたちの将来はどうなるのでしょうか。」大学教授クラスでも難民を追い返そうとする日本。