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「おらおらでひとりいぐも」読者を静かに力づける一冊 | ベストセラーを歩く | 重里徹也 | 毎日新聞「経済プレミア」
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「おらおらでひとりいぐも」読者を静かに力づける一冊 | ベストセラーを歩く | 重里徹也 | 毎日新聞「経済プレミア」
平日の午後。東京都内の街には、高齢の男女があふれている。公立図書館、カフェ店、公園のベンチ、病院... 平日の午後。東京都内の街には、高齢の男女があふれている。公立図書館、カフェ店、公園のベンチ、病院の待合室、ショッピングセンターの無料休憩所。彼らを見ながら、余計なお世話だが、毎日一体、どんなことを考えているのだろうと思うことがある。 もちろん、そんな光景を眺めている私も、「街の老人」予備軍だ。大学へ行かない日など、家の近辺を散歩し(他人から見れば、さまよい歩いているように見えるだろう)、喫茶店や図書館で本を読み、また、散歩し、スマホの歩数計が1万歩を超えたら帰宅する。それは少し寂しいが、充実した時間でもある。 芥川賞を受賞した若竹千佐子の「おらおらでひとりいぐも」(河出書房新社)の主人公「桃子さん」は74歳。彼女が自分の人生を振り返り、これからどう生きていけばいいかに迷い、思索することで作品が成り立っている。そこに描かれているのは孤独という名の自由であり、そのまぶしいばかりのすばらしさだ。