『アドレセンス』において、なぜほとんどのコミュニケーションは失敗するのか｜佐藤雅浩

ツイッターを見てたら、杉田俊介による以下のツイートが流れてきた。 杉田俊介のツイッターより。 実際に『アドレセンス』を見てみると、彼の評言はかなり正しいことがわかる。つまりドラマは延々と、「Z世代の子どもたち」とのコミュニケーションに「まともな大人たち」が失敗し続けるさまを描いている。学校も家庭も相談所も、何一つまともに機能しない。この意味で、たしかにここに現れる「Z世代の子どもたち」は、TikTokとインスタに侵された動物、「理解不能な非人間」に見える。 とはいえ、じゃあZ世代を悪役に仕立てたこのドラマは全然ダメで救いがたいカスかといえば、そうではない。世代間の相互理解を阻害し、両者の対立を促進するようなイデオロギーを製作者が信奉しているわけでもない。むしろ、コミュニケーションの失敗をめぐる物語としては結構成功している。 なぜ『アドレセンス』で、ほぼすべてのコミュニケーションは失敗するの