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『「地球のからくり」に挑む』
今年ほどエネルギー問題が世間を騒がせている年もそう多くはないだろう。電力の元となる原子力・石油・... 今年ほどエネルギー問題が世間を騒がせている年もそう多くはないだろう。電力の元となる原子力・石油・石炭・天然ガスから始まり、再生可能エネルギーにまつわる課題や地球温暖化問題など、すべては人類の消費するエネルギーに帰着する。本書はこうした複雑な現況を生みだした「地球のからくり」に関する必要不可欠な情報を、科学と文明史を融合させた観点から、わかりやすく提供してくれる。 著者は石油の起源や堆積物中の有機物を研究する第一線の地球科学者で、前著『チェンジング・ブルー』(岩波書店)が講談社科学出版賞を受賞した経歴を持つ。本書は月刊誌「新潮45」の連載を基にしており、理系の基礎知識がなくとも無理なく読みすすめられる。最先端科学の切り口で、エネルギーにまつわる「地球のからくり」を見事に浮き彫りにしてゆく。 我々が毎日使う物質は、何らかの仕掛けを用いて地球から取り出しているものだ。たとえば、第二章「窒素固定の