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君のすむ街
浅葉圭一 5章中、2章まで公開しています。 一 青は存在しているだけで詩人だった。誰かが言ったわけでな... 浅葉圭一 5章中、2章まで公開しています。 一 青は存在しているだけで詩人だった。誰かが言ったわけでなく、私が勝手にそう思っている。きっと本人も気付いていないだろう。 私がそこへ行くと常に見かけた。吉祥寺駅の北口を出てすぐ、狭い路地裏に小さな飲み屋が密集している辺り。どこの店も手垢で薄汚れている。大体が開け放たれており、店内と道との境界は曖昧だ。そのうちの一つ、隅の方に座って、小さな皿に入ったしょぼくれた肴を前に透明な酒を飲んでいる。もし声を上げて笑ったら二十代半ばに見えるかもしれない。しかし青はいつも口の端っこを斜めに吊り上げるだけだ。横顔に落ちている影は歳不相応に深い。見苦しくない程度に伸びた黒髪は十分に届いていない照明でその黒さを増し、いかにも物憂げに見える。小さな額に入った無名の画家の傑作みたいにその店の一風景となっていた。 静かな男だった。それでも知らない奴に気安く話しかけられる
2011/04/13 リンク