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しかしながら、ロシア国民には根強い「インフレ懸念(インフレ期待)」がある。経験則として、ルーブル... しかしながら、ロシア国民には根強い「インフレ懸念(インフレ期待)」がある。経験則として、ルーブル安がインフレに直結するという記憶が染みついているため、少しでもその気配があると国民が自衛策に走り、インフレが自己実現する素地がある。 2022年春の、外貨収入の強制両替などの奇策を用いた通貨安定策は、政権側のインフレ阻止の強い意志の表れでもあった。古今東西、ハイパーインフレは政権を脅かす最大の要因の1つである。果たしてロシア当局はインフレをコントロールできるだろうか。 戦時経済という言葉から、「欲しがりません、勝つまでは」という標語を唱えて窮乏生活に耐える国民を思い浮かべるのは、筆者だけではないだろう。しかしながら、ロシアの現実はそれとはまったく異なる。 ロシアを追い詰める制裁はあるのか スーパーのワイン売り場には、ボルドー産やカリフォルニア産のワインが隙間なく並んでいる。対ロシア制裁はあまり効