麻布台ヒルズ着工までの30年とは 森ビルの交渉術と地権者の危機感：朝日新聞デジタル

日本一高い約330メートルの超高層ビルなどからなる東京都心の新たな複合施設「麻布台ヒルズ」（東京都港区）が24日、開業した。六本木ヒルズなども手がけた不動産大手・森ビルによる再開発事業だ。開業までの道のりを関係者の証言からたどった。 2019年の着工までに、30年もの時間を要した。森ビルと、土地所有者ら約300人の権利者に、何が起きていたのか。 「起工式の時は、泣きそうになった」 計画初期から事業に関わった森ビルの特任執行役員、村田佳之さん（58）は言う。「長く土の中にいたセミの幼虫が、ようやく地上に出る。そんな感慨がある」 計画が動き出したのは1989（平成元）年。 当時入社2年目だった村田さんを含め、最終的には25人ほどの社員が権利者の担当になった。外部発注せずに、社員が権利者1軒ずつと話し合うのは、森ビル創業当時からのやり方だという。 「ここで死にたい」 「先祖代々の土地だから手放せ

[kechack]

25人程の社員が権利者の担当になった。外注せず社員が権利者1軒ずつと話し合うのが森ビル創業時からのやり方。「ここで死にたい」「先祖代々の土地だから手放せない」繰り返し足を運んでも会ってもらえない家もあった