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イラクの経済腐敗が阻むISIS掃討戦
<軍事作戦の成功で息の根が止まったかに見えるテロ組織は、汚職や闇市場を活用してひそかに資金を蓄え... <軍事作戦の成功で息の根が止まったかに見えるテロ組織は、汚職や闇市場を活用してひそかに資金を蓄えている> テロ組織ISIS(自称イスラム国)掃討作戦が終盤に差し掛かった17年11月。有志連合のブレット・マガーク米特使はツイッターでいち早く勝利宣言をした。「偽カリフ制国家の終焉は近い」 ISISの支配地域は最盛期の14年にはイラクの約3分の1、シリアの約半分にまで拡大した。自称「国家」よろしく住民から税金を徴収して、国連から「世界一裕福なテロ組織」と呼ばれたほどだ。 それが今や支配地域の大半が奪還され、蓄えた資金の8割を失った。だが「ISISの終焉」を宣言するのはあまりに早い。彼らは戦場で敗れても、その資金調達能力はいまだ健在だ。度重なる戦争や内戦で腐敗したイラクやシリアの経済に巣くい、新たな「聖戦」に備えて資金を準備できる。ISISに引導を渡すには、資金を枯渇させなければならない。 イラク