東京新聞:天皇と戦争と歴史家 今谷 明 著:Ｃｈｕｎｉｃｈｉ Ｂｏｏｋｗｅｂ(TOKYO Web)

トップ > Ｃｈｕｎｉｃｈｉ Ｂｏｏｋｗｅｂ > 書評 > 記事一覧 > 記事 【書評】 天皇と戦争と歴史家 今谷 明 著 Tweet mixiチェック 2012年8月19日 ◆学界の掟がつくる歴史像 [評者]井上 章一 国際日本文化研究センター教授。著書『美人論』『伊勢神宮』。 人々は何を食べ、どう装い、いかに暮らしてきたのか。何を信じ、心のよりどころとしてきたのだろう。そこに迫ろうとする歴史を、われわれは社会史とよびならわしてきた。国家や君主の動きを特筆する政治史とは、まなざしの向きが違うという含みもこめて。 日本では、二十世紀の後半から盛んになりだした。フランスのアナール学派に刺激をうけたせいだと、一般にはみなされている。しかし、著者は戦前の日本で続けられてきた社会経済史の積みかさねを重んじる。あの学術的な伝統が背景にあって、今の社会史は花開いたのだ。 鎌倉時代には親鸞や日蓮らの

[ilya]

2012年8月19日

[hharunaga]

「平泉澄は、ほぼ同じことをそれより三十年前に唱えていた。皇国史観にはしった平泉が若いころに論じていたことを、新しい歴史学は繰り返している」