★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 世界中の最新医学論文から、坪野吉孝氏(山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授)が、興味深いものをわかりやすくかみ砕いてお届けします。 ダイエットの方法としても使われている、炭水化物の少ない食事により、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクが高まるという論文が、英国医学雑誌に6月公表された。 研究の対象は、スウェーデンの30~49歳の女性43,396人。1991~92年にかけて、食生活や他の生活習慣を調べた。その後、平均15.7年間の追跡調査を行い、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患1,270例の発症を確認した。 研究では、まず炭水化物(糖質と食物繊維の合計)の一日摂取量によって、摂取量が多い順に上位10%のグループから下位10%のグループまで10グループに分け、そ
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 数々の闘病記をご紹介するサイト「ライフパレット」を手がける株式会社メディエイドのスタッフがつづるブログです。2005年に創業した若い会社ですが、多くの病気体験を社会全体で共有し生かしていければ…と日々奮闘しています。 冨井美子 今回は、ここ数回にわたってお話ししている、群馬大学医学部の授業の中から、患者さんへの病名告知の問題についてみなさんとともに考えたいと思います。 1月30日に行われた授業の中で、ライフパレットの闘病記の著者achikoさんは、患者には、3つの大きな関門があるというお話しをしました。 第1関門は、病名の告知を乗り切ること。第2関門は、告知のショックを受け止め、それを受け入れること。第3関門は、退院後、家に帰ってきてからの生活との折り合い、再発への不安と闘
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 世界中の最新医学論文から、坪野吉孝氏(山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授)が、興味深いものをわかりやすくかみ砕いてお届けします。 がんの治療を受けた後に、どのような生活をすればがんの進行や再発を防げるかは、新しい研究課題であり、十分に分かっていない点が多い。そんな中、前立腺がんの治療後に早足で歩くことが、がんの進行リスクを下げるという論文が、キャンサーリサーチに昨年6月掲載された。 前立腺内に留まるがんで最初の治療を受けた米国の男性1,455人を対象に、質問票で、余暇時の運動の状況をたずねた。平均で22カ月の追跡期間中に、前立腺がんの進行を117例確認した。 その結果、早足(時速4.8キロ以上)で週3時間以上歩くグループは、早足より遅い速度で週3時間未満しか歩
今回の台風で、死者19名、行方不明者59名という 報道を見て、無念でなりません。 防災の難しさをあらためて感じます。 今日は、大津波で陸に打ち上げられた 海底のヒ素の話をさせていただきます。 大津波は大量のヘドロを運んできました。 東北沿岸は、かつて鉱山が多くありました。 精錬時に、ヒ素や重金属が出ていました。 今回の津波で海底のヒ素が岸に運ばれた。 ヒ素が溶けた水を飲むと皮膚障害が生じます。 肝臓や腎臓の機能を低下させ健康障害を起こす。 稲の生育にも影響を与える可能性があります。 今回、基準値の最大25倍のヒ素を検出したのは 宮城県気仙沼市の大谷鉱山の周辺です。 1976年まで採掘していた鉱山のヒ素が流出。 私が企画として関わった東日本大震災の記録映画 「無常素描」の中で一人の老人が語るワンシーン。 その老人が涙ながらに訴えていたのが、このヒ素です。 彼は、地域の
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 時に猛威をふるい、大きな脅威になる感染症について、医師・高山義浩さんが現場レポートをまじえ報告します。 高山義浩(感染症医) 7年ほど前になりますが、友人のネパール人医師から聞かされた悲しい話がありました。彼女は「日本の病院には二度と行きたくない」と泣きながら電話をかけてきたのです。 インドの名門であるカルカッタ大学を卒業した皮膚科医であり、2児の母でもある彼女は、夫とともに苦労を重ねながら日本での留学生活をしていました。もともと子宮筋腫があり、貧血が進行していることを自覚していましたが、医療費を節約するために、母国から取り寄せた鉄剤を内服しながら頑張っていたようです。 ところが、その日がやってきてしまいました。 子供が通っている幼稚園で参観していると、突然に大量の出血がは
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 東京科学医療グループ・竹石涼子 東日本大震災は、被災地の博物館や貴重な標本にも大きな爪痕を残した。なかでも標本や化石などの自然史資料は、古文書や工芸品のような文化財とは違って国から支援を得られる文化財保護法の後ろだてがない。泥や油にまみれた収蔵品の救出は全国の学芸員らの人脈とボランティアが頼りになっている。 ◇日頃の縁、申し出続々 津波で海水をかぶった押し葉標本を袋から出し、一枚一枚カビをチェックし、アルコールをふきつけて新しい袋に入れ直していく。昆虫標本はもげた足を、元の虫を捜してくっつける。被災標本を受け取った全国の博物館で4月下旬から、さらに傷むのを防ぐ応急処置が続けられた。 岩手県立博物
東京科学医療グループ・大岩ゆり 肺がんの新しい原因遺伝子を、日本人研究者が発見した。細胞ががん化する最初のきっかけを作るたんぱく質に関連する遺伝子だ。肺がんは、がんの中でもっとも死亡者数が多い。この遺伝子の働きを止めれば、がん化を抑えられるかもしれない。新薬の開発も進んでいる。 ◇がん細胞だけ標的 新しい肺がん遺伝子「EML4―ALK」は、62歳の男性肺がん患者の細胞から見つかった。2種類の遺伝子「EML4」と「ALK」が何らかの理由でそれぞれ途中でちぎれ、くっついてできていた。 EMLは細胞の骨格を作るたんぱく質、ALKはたんぱく質の活性化などの役割を担う「リン酸化酵素」の遺伝子だ。 発見者の間野博行・自治医科大教授(東京大特任教授)は2006年、初めてこの遺伝子を見た時、信じられなかった。 ちぎれた二つの遺伝子がくっついた融合遺伝子は、間野さんの本来の専門分野、血液がんではよく知られ
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 日々さまざまなカウンセリングに応じる福岡在住の臨床心理士、中島美鈴さんが「悩み方」について考えていく癒し系ブログです。 中島美鈴 《臨床心理士》 どうしても手に入れたかった商品が、運悪く売り切れになっていたとき、「私はあの商品と縁がなかったのよ」とか「もともとそんなに欲しいものでもなかったし、あきらめがついたわ」などと自分に言い聞かせたりしませんか? これはごく日常的な例ですが、この言い聞かせを繰り返し用いているときには、ストレスがたまっているサインかもしれません。 今回も引き続き、いつもひたすら気合いで耐え抜いてきた挙句、謎の身体症状に悩まされているエリート会社員のトオルさん(仮名・30代)について、これまでにご紹介した認知行動療法のテクニックを用いて解決していきます。
放射線は人体にどんな影響を与えるのか。広島・長崎の被爆者たちの健康調査で多くのことが分かっている。大きな犠牲から得られたデータは、世界の放射線防護対策の基礎となっている。 健康調査は、1947年に米国が設けた原爆傷害調査委員会(ABCC)が始め、75年から日米共同運営の「放射線影響研究所(放影研)」が引き継いだ。 被爆者9万4千人と、そうでない2万7千人を生涯にわたり追跡調査。うち約2万人は2年に1度の健康診断や生活習慣調査を続けている。 放影研の大久保利晃理事長は「系統的な長期調査で、世界が必要とするデータを発信できた」と話す。国際放射線防護委員会(ICRP)の委員で大分県立看護科学大の甲斐倫明教授も「放射線のリスク推定で決定的な役割を果たすのが放影研のデータ。ICRPもこれを基本に計算している」と説明する。 長年の調査でわかった主なポイントは次の通りだ。 ◇広島・長崎調査、世界の防護
2011年3月11日(金)14時46分。その時、私はのぞみで東京に向かう途中でした。新横浜の手前で異様な急減速、数十秒後に停車、停電、そして横倒しになるかと思うほどの、車体の揺れ。東北地方太平洋沖地震に始まる一連の大災害の始まりでした。地震、目を疑うような津波、そして私たちは損壊した原子力発電所を目の当たりにしました。今回はこの原発に関して、この数日の経験を書き留めておきたいと思います。 3月12日(土)、京都に戻りついた時、東京在住の旧友から携帯に電話があり、「福島原発から放射能が漏れるかもしれない、ヨウ素を飲んだ方が良い、というメールが回ってきたのだけれど、どうしたらよいか?」と尋ねられました。-すでにこの数日は、かなりヨウ素に関する情報がマスメディアでも提供されているので、徐々に知識は広まってきていると期待していますが、電話をもらったのは震災翌日です。通常、人間は食物(海藻など)か
皆さま、お久しぶりです。 このブログにコメントを下さっていたNATROMさんのブログで、大変興味深いご指摘がありました。ぜひ、ご紹介したいと思い、久々にエントリーを立てさせて頂きました。 ブログのエントリーは先日、弊社の山口総局の記者が特報した「「ホメオパシーで長女死亡」助産師と母親和解 山口地裁」の記事と、それに対する普及団体、日本ホメオパシー医学協会の反論に関するお話でした。NATROMさんは、「ホメオパシー訴訟の和解がもたらした最大の成果」は、協会の反論の言葉の中から「ホメオパシーのレメディー(記者注:ホメオパシーに用いる砂糖玉)は、ビタミンK2のシロップの代用にはなりません」という言葉を引き出したことだ、と述べています。 NATROMさんの指摘では、協会やその会長、関連の療法家育成学校は過去、ホームページや著書で「レメディーはビタミンK2シロップの代わりになる」との内容の主張を続け
東京科学医療グループ・米山正寛 植物版「トキ放鳥」――。日本の自然から消えた「野生絶滅」の植物や、個体数が減った「絶滅危惧(き・ぐ)」の植物を野生に戻そうという新しい取り組みが始まった。悪さをする生きものが野生復帰のときに混ざらないようにするなど、地域と協力しながら、従来の試みで残った技術的な課題の解決を目指す。 ◇種まき生育調査 地域と取り組む 希少な植物を増やし、自生地へ戻した代表例は小笠原諸島のムニンツツジやムニンノボタンだろう。東京大学の付属植物園が苗を育て、1980年代から現地に植えてきた。 だが、島外で育てた苗を使うと、土にまじった小さな生物やウイルスなども持ち込んでしまう恐れがある。防ぐために厳密な管理をすると、コストと労力の負担が大きい。環境省の方針も変わり、東大は4年ほど前から移植をやめている。 この問題に対処するため、自生地に種をまく方法が見直されている。ただ、種が発芽
アサガオ雑草化 防除に手間 [10/09/24] 東京科学医療グループ・米山正寛 きれいな花を咲かせる熱帯アメリカ原産のアサガオ類の雑草化が問題になっている。防除には何かと手間がかかり、効果的な除草がなされずに放置されていることも少なくない。繁殖力が強く、全国的な広がりが心配されるため、低コストの防除法の研究も進められている。 ◇日陰では成長抑制 水田のわきで花をつけたマルバルコウ=茨城県つくば市 茨城県つくば市の水田転作の大豆畑では、この秋もマルバルコウやマメアサガオといったアサガオ類が繁茂している。農家の中山巌さん(67)は「5~6年前から急に増えた。ひどいと畑全面を覆い、つるがコンバインに絡まって収穫できなくなる」と説明する。収穫できても収量は減るし、アサガオの茎の汁が大豆を汚せば等級は下がる。 「はじめは花がきれいだから、まあいいか、くらいに思っていた。そのうち種子がこぼれてどん
同僚の岡崎記者と私の署名で、9月2日の朝日新聞朝刊に記事が載りました。「保健室でホメオパシー」です。公教育の場で、少なくとも「科学的根拠が示されていない」民間療法が実践されることは、生徒にとって誤解を生む教育になっているのでは、という問題提起として書いたものです。 この記事の取材、執筆でも、皆さまからお寄せ頂いたメールの情報やブログのコメントが、大きな力となりました。改めて感謝の意をお伝えいたします。 ネット上では、この問題が数年前から指摘されていました。様々な現場にいらっしゃる方々が発信する情報は、非常に真に迫ったものも多く、重要だと思います。一方、現場や関係者の方々にお話をうかがい、事実確認をしたり、さらなる事実の発掘をしたりすることが私たちの仕事です。 高い問題意識を持った方々のネットなどでの発信と、私たちの職業上の機能をうまくあわせることで、社会により有益な情報を発信していけるので
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