9月25日、首相官邸で会見を開いた安倍総理は、今回の選挙を緊迫する北朝鮮情勢への対応を誰に任せるかなどを問う「国難突破解散」と位置づけた。だが連日メディアを賑わせているのは、小池東京都知事を代表とする新党・希望の党の立ち上げを始め、旧民進党勢力の離合集散を巡る「政局」が主であり、安全保障政策をめぐる具体的な議論が深まっているとは言い難い。 しかしその間にも、北朝鮮の核・ミサイル活動は活発化の一途を辿っており、朝鮮半島情勢は緊張の度合いを強めている。こうした一連の問題は、ワイドショーなどでも度々取り上げられ国民の関心を集めているものの、それが具体的にどのような形で日本の安全に影響を及ぼすのかを明確にイメージするところまでには至っていないのが実情ではないだろうか。そこで本稿では、今後生起しうる蓋然性の高そうな具体的シナリオを踏まえながら、朝鮮半島情勢が日本の安全保障に及ぼす影響について考えるた