【今月の1冊】色彩をみる目を養うジョセフ・アルバースの啓蒙書『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から注目したい作品をピックアップ。毎月、図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介。2016年9月号では、ドイツ生まれの画家・美術教育者、ジョセフ・アルバースによる、色彩研究の成果をまとめたテキスト『配色の設計 色の知覚と相互作用』を取り上げた。 中島水緒 ジョセフ・アルバース著『配色の設計 色の知覚と相互作用』表紙 『配色の設計 色の知覚と相互作用』 ジョセフ・アルバース=著 「色彩の相互作用」を探求した、実習のプロセスジョセフ・アルバースといえば、「正方形賛歌」シリーズに代表される幾何学的な色面構成による抽象絵画が真っ先に思い出されるだろう。一方、画家としてのキャリアと同等に忘れてはいけないのが、アルバースの美術教育者としての顔である。1888年ドイツ生ま