自らが5人目のキッカーとなったPK戦でチリとの死闘に勝利をおさめ、ネイマールは安堵の涙を流した。満場の王国の民のサポートは、激烈なプレッシャーともなりうるのだ。 サッカーの「クオリティー」なら、おそらく時代の最先端にして今大会最高。しかしそのチリをほんの僅かな差で上回ったのは、戦術に特別な新しさも革新性もないブラジルの、王国としての気骨だった。 2001年以降の対戦成績は、ブラジルの12戦10勝2分け。まさに圧倒的と言える戦績だが、指揮官ルイス・フェリペ・スコラーリはむしろ、明らかにチリを恐れていた。本大会の組み合わせ抽選が行なわれた昨年12月、抽選結果を受けて彼はこう話している。 「チリが決勝トーナメントに進出しないことを願っているし、できればチリ以外の国と対戦したい。チリはとてもよく組織されており、賢さもある素晴らしいチームだ。だから、欧州のチームと対戦するほうがいい。システムと戦術が
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