印刷 関連トピックス地検特捜部 名古屋地検特捜部が容疑者の取り調べの全過程を録音・録画する「可視化」を実施していた事件で、容疑者が動機を供述したのは、本人の希望で可視化を中止した後だったことが検察関係者への取材でわかった。可視化は冤罪(えんざい)防止に有効とされるが、検察側は、容疑者が供述しにくい環境にもなることを浮かび上がらせるケースとみている。 特捜部は、成年後見人として管理していた高齢男性の預貯金1510万円を着服したとして愛知県弁護士会の弁護士広嶋聡被告(35)を6月16日に逮捕。直後から本人の同意を得て全過程の可視化を始めた。広嶋弁護士はその当日夜に容疑を認めたという。 しかし、逮捕から5日目に「同意しないこともできるらしいですね」と可視化を拒んだ。最高検の指針では容疑者が拒否した場合は実施しないと定めている。広嶋弁護士は弁護人との接見を通じて拒否できることを知ったらしい。