礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。 ◎内田百間と「漱石全集校正文法」 たまたま、『送り仮名法資料集』〔国立国語研究所資料集3〕(秀英出版、一九五二)という本を見ていたところ、そこに、内田百間の「送り仮名論」が載っていることに気づいた。 タイトルは、「動詞の不変化語尾について」で、雑誌『東炎』の一九三五年(昭和一〇)に掲載されたものだという。 論旨は、送り仮名は、動詞の不変化語尾も含めるべきだ(「尽す」でなく「尽くす」)というものであるが、その部分の紹介は省き、「漱石全集校正文法」や「ゲーテ全集文典」に言及している末尾の部分を紹介してみよう。 大正六年〔一九一七〕、漱石全集第一版が岩波書店から刊行せられた時、私は同門の二三君と共にその校正にあたつた。 これより先数年、先生〔夏目漱石〕のまだ在世せられた当時、
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