──研究者になったきっかけは? 子どもの頃から本を読むのが好きだったんですが、高校の時に岩波新書で大野晋先生の本を読んで、「こういう世界もあるんだな」と日本語に興味を持ちました。 当時は1年生から興味関心に合わせていろんなゼミを選ぶ、少人数・演習形式の授業もあって、古田東朔(とうさく)先生のゼミで教わりました。そこですごくほめてもらったこともあり、面白いなと思ってその後、国語学に進学しました。 ──そこで、今のご研究にもつながる「昔の日本語」に出会ったんですか? 古田先生のゼミでは、近世語のゼミで浮世床といった滑稽文を読んでいました。そもそも大野先生の本も『日本語の起源』ですからね。 卒論は『「は」と「が」』ですが、国語学なので国語史の授業をずっと受けていましたし、ゼミではキリシタン資料も扱いました。そういう意味では大学に入ってずっと国語史とのつながりがあり、僕自身の学問的なルーツは日本語