撮影の人気スポットである美術館の階段の踊り場に立つ青木加苗さん。「多忙な年末年始でした」と振り返った=和歌山市(鳥越瑞絵撮影) 長い歴史を持つ国際博物館会議(ICOM)の美術館・コレクション国際委員会(ICFA)で昨年9月から委員長を務めているのが、和歌山県立近代美術館の学芸員、青木加苗さん(44)。このポストに、まだ40代の若さの非欧米人女性が就いたというのはなかなかの快挙に違いない。「世界」と「和歌山」という複眼思考で、青木さんは「美術館の未来」をこれからどう描いてゆくのだろうか。 移民県の歴史に向き合って「信じられない、この数カ月でしたね」 そういって、思い切り笑った。実際、笑い飛ばしてしまうしかないほどの忙しさだったのだろう。 彼女の勤務地である和歌山は、海外への移民が日本で6番目という「移民県」。もちろん、その中には、移り住んだ先で美術を志す人もいた。とりわけ、石垣栄太郎やヘンリ