サイゾーウーマンに連載中のエッセイ、今回のテーマは「和な人」です。 「きもの」は、おばさんのなけなしのナルシシズムを慰める――「和」にハマる中年女性 一昔前まで、きもので出歩いている人と言えば、お茶や日舞のお稽古の人か、歌舞伎のお客か、小料理屋の女将か、お仕事に向かうホステスさんなど、それぞれTPOの定まっている人ばかりでしたが、「和」流行りの昨今、ちょっとしたおでかけ着としてカジュアルな感じできものを着ている人をたまに見かけます。 若い人へのPRに一役買ったと思われる雑誌が、『七緒』(プレジデント社)。最近着始めた私も、気になるバックナンバーを集めています。『美しいキモノ』(ハースト婦人画報社)は、美容院での目の保養用です。 きものを着るようになると、なぜか自然ときもの関係の話題を耳にするもので、「実は私も中年になって着始めた」「母のお下がりからスタートした」といった話をあちらこちらで聞