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ブックマーク / www.sbbit.jp (24)

  • なぜ、同人誌通販「とらのあな」が3PLに参入?AutoStoreが後押しのワケ

    新型コロナ禍を経て業態を転換した企業は少なくない。同人誌販売大手の「とらのあな」もその1つだ。同社はコロナを経て通販を主とする事業形態へとかじを切り、さらに2024年夏以降に3PL事業にも進出しようとしている。その事業を支えるのが、ノルウェー製のロボット自動倉庫「AutoStore」である。同社の具体的なAutoStoreの活用状況と、業務効率化の秘訣を見てみよう。

    なぜ、同人誌通販「とらのあな」が3PLに参入?AutoStoreが後押しのワケ
  • 「200年超の謎」を大解明、京大・西村いくこ氏に聞いた「植物の不思議」な仕組みとは

    1950年京都市生まれ。1974年大阪大学理学部生物学科卒、1979年同大学院博士課程修了、理学博士。1980年名古屋大学、および神戸大学の研究生、1985年フランス国立科学研究所研究員。1991年岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所助手、1997年同助教授、1999年京都大学大学院理学研究科教授、2016年同名誉教授。2016年甲南大学理工学部教授、2019年同特別客員教授、2021年同名誉教授。2022年奈良国立大学機構理事(非常勤)、2023年奈良先端科学技術大学院大学理事(非常勤)。2014年11月紫綬褒章。2023年瑞宝中綬章。2024年みどりの学術賞。 ──(大隅基礎科学創成財団 理事 野間 彰氏)西村さんは、これまでに多くの基礎研究をされ、数ある功績を残してきました。その中でも印象的な研究についてご紹介ください。 西村 いくこ氏(以下、西村氏):心に残っているのはどれもそうで

    「200年超の謎」を大解明、京大・西村いくこ氏に聞いた「植物の不思議」な仕組みとは
  • 国鉄書体「すみ丸ゴシック」が今も愛され続けるワケ

    駅で電車に乗るとき、降りるとき、文字を目にせずにはいられない。雑誌『鉄道ジャーナル』にて鉄道の文字に特化した「されど鉄道文字PLUS」という連載を持ち、『されど鉄道文字』『駅の文字、電車の文字』(成美堂出版)の著者でもある中西あきこ氏と、西武鉄道で使われている「AXIS Font」を開発した文字のデザイナーのタイププロジェクト 代表取締役 鈴木功氏が対談した。鉄道の文字はどのようにして生まれるのか、文字の未来はどうあるべきか、語り合った。 ライター。会社員時代は、求人広告代理店の営業兼ライター、出版社・デザイン会社でライター・コピーライターなどを経験。デザイン会社では不動産系をはじめアパレル系や行政系など多方面に渡る制作物(チラシ、パンフレット、リーフレット、冊子、ネーミングなど)の企画立案から執筆まで手掛ける。現在はフリーライターとして、企業をはじめ保育園や個人へのインタビュー記事、恋愛

    国鉄書体「すみ丸ゴシック」が今も愛され続けるワケ
  • 宅ふぁいる便の衝撃的漏えい、しかしパスワードの平文保存は「超レア」と言えない現実

    480万件の情報漏えいの概要 宅ふぁいる便の情報漏えいについて、すでに多くのメディアが報じているので、ここではポイントだけ整理する。 インシデントは宅ふぁいる便サービスを行っているサーバ内に不審なファイルを発見(1/22)したことから発覚した。追加調査で不審なアクセスログも確認され、被害防止のためサービスを停止し(1/23)、第一報を発表。その後、情報漏えいを確認した(1/25)。 漏えいが確認された情報は、1月28日付け同社の第三報によると以下のとおりだ。 2005年以降に収集された以下の情報: 氏名(ふりがな) ログイン用メールアドレス ログインパスワード 生年月日 性別 職業・業種・職種(選択肢の番号) 居住地の都道府県名 メールアドレス2、メールアドレス3 2005年から2012年までの間に入力された以下の情報: 居住地の郵便番号 勤務先の都道府県名 勤務先の郵便番号 配偶者、子供

    宅ふぁいる便の衝撃的漏えい、しかしパスワードの平文保存は「超レア」と言えない現実
  • パナソニックが挑むサプライチェーン変革、ロボットで物流プラットフォーム構築へ

    「ものが見えるようになること。IoTをいかにリアリティを持ってこのフィールドで活用できるか。キーワードはやっぱりね、現場ですよ。現場。もう現場。当に現場がどうなってるのか、いかに理解するか。それで作るものが全然変わる」。パナソニック スマートファクトリーソリューションズ 小売・物流システム ストラテジックビジネスユニット ビジネスユニット長の足立秀人氏は、こう語る。 「パナソニックはロボット技術、半導体、IoTデバイスの知見を持っています。サプライチェーンを一番下から突き刺しながら、枠組みのプラットフォームを作れると考えています」。 「あした、現場で会いましょう。」 ある日、パナソニックが流しているCMの一つが気になった。「あした、現場で会いましょう。」というキャッチフレーズで、フリーアナウンサーの夏目三久氏が案内役となっている「コネクティッドソリューションズ」シリーズの「物流篇」、同「

    パナソニックが挑むサプライチェーン変革、ロボットで物流プラットフォーム構築へ
  • 川崎が「地獄」なら日本も地獄です──『ルポ 川崎』著者・磯部涼氏インタビュー

    ラップ、ヤクザ、貧困、人種差別──神奈川県川崎を舞台にしたルポルタージュ「川崎」は、『サイゾー』に掲載されるやいなや大きな話題を呼ぶ。若手ヒップホップグループBAD HOPや、ヘイト・スピーチと戦うカウンター団体「C.R.A.C. KAWASAKI」を取り上げ、川崎の過酷な現実を浮き彫りにした。連載をもとに大幅加筆し、『ルポ 川崎』(サイゾー)として刊行されたのを記念して、著者で音楽ライターの磯部 涼氏に話を伺った。 なぜ川崎なのか? ──川崎のリアルを描き、話題を集めている『ルポ 川崎』ですが、音楽ライターの方がこのような「ルポ」形式で書くのはめずらしいのでしょうか。 磯部涼氏(以下、磯部氏):音楽コーナーなのか、ノンフィクション棚なのか、書店は分類に迷うでしょうね。ただ、欧米では、音楽ライターがルポ形式で書いたも多いですし、日でも野田努さんや北沢夏音さんなどの音楽ライターが、同様

    川崎が「地獄」なら日本も地獄です──『ルポ 川崎』著者・磯部涼氏インタビュー
  • AIが書いた小説は面白いのか? SF作家とSFマガジン元編集長が語る「AI作家」の限界

    元・早川書房『S-Fマガジン』編集長で現・天狼プロダクション代表取締役の今岡清氏は、AIが書く小説は面白いのか、という問いについて「そもそも、AIは何をモチベーションに書くのか」疑問に思うと切り出した。 早川書房のSF担当の編集者として数多の小説家・小説家志望と会ってきた今岡氏からすると、小説で大きいのは「何を書きたいか」という小説家自身のモチベーション、その基となる小説家自身の思想性や経験だという。 だが、AIには積み重ねてきた思想性もキャリアもない。ではAIはどのようなモチベーションで小説を書くのだろうか。 答えるのは、自身もAIが登場する「第2内戦」という中編小説を書いたSF作家・藤井太洋氏。2015年に第2作『オービタル・クラウド』で第35回日SF大賞を取得した気鋭のSF作家は、元エンジニアという経歴を持つ。 藤井氏は「人間のものとは異なるモチベーションはAIに与えうる」とし、例

    AIが書いた小説は面白いのか? SF作家とSFマガジン元編集長が語る「AI作家」の限界
  • 日本の食文化を探る澁川祐子氏に聞く、「ググればわかる」で思考停止しない情報収集術

    重要なのは、ずばり「ごはんに合うか」 ──外来の料理が日に定着するにはいくつかの条件があると思われます。澁川さんは何が重要だと思われますか? 澁川祐子氏(以下、澁川氏):一つは、やっぱりごはんとの相性ですよね。つまり、カレーや餃子、オムライスなどがその好例ですが、日人の主であるごはんのお供になるか、あるいはごはんにかけられるか、混ぜられるか否かが、その料理が日で生き残って大衆化していくうえで非常に大きなポイントになっていることは明白です。もう一つ、私は感もポイントだと思っていて。 ──感ですか? 澁川氏:はい。日人はわりとふわふわ、もちもちした感が好きですよね。たとえばショートケーキは、もともとはビスケットのような生地に砂糖を振った苺や生クリーム挟んだものだったのが、日で普及する過程でその生地がスポンジに置き換わっていきます。それは、日人がもともとカステラに親しんでいた

    日本の食文化を探る澁川祐子氏に聞く、「ググればわかる」で思考停止しない情報収集術
  • 物流ロボットまとめ、「圧倒的な人手不足」による逆境克服から学ぶべきこと

    今回は物流ロボットについて語りたい。これまでにも述べてきたが、今後、どの分野でロボットのさらなる活用が増えそうかと聞かれたら、まず第一に物流分野での伸びが期待されるからである。縁の下の力持ち的な業界で、業界外の人たちからは縁遠いかもしれないが、物流業界でのロボット活用のあり方には、今後の他の業界でのロボット導入にも参考になる点が多い。 なぜ物流分野での伸びが期待できるのか。まず背景を簡単に述べる。どの分野でも同じだが、生産年齢人口の減少問題がある。ネット通販一つとってもわかるとおり、「経済の動脈」たる物流の需要はどんどん伸びている。だが人手は集まりにくくなっている。何しろ物理的に人の数が減っているのだから全産業で人で不足になるのは当然なのだが、物流分野で人が集まりにくい理由はそれだけではない。 物流センターには大きなスペースが必要だ。だから、郊外にあることが多い。今は街中のお店が24時間開

    物流ロボットまとめ、「圧倒的な人手不足」による逆境克服から学ぶべきこと
  • なぜ今「家電」? ソニー上木氏とはてな石田氏に「家電会議」の戦略と背景を聞く

    なぜソニーとはてながコラボ? 両社の戦略的背景 ──そもそも、なぜ「家電会議」のようなコミュニティサイトを立ち上げようと考えられたのでしょう? 上木氏:まず戦略的な話として、ソニーは無料ニュースアプリ「ニューススイート(News Suite)」を提供しています。これはXperiaにプリインストールされているほか、Android端末でも利用でき、70か国に展開し、インストール数4500万、月間アクティブユーザー700万人と、かなり普及してきました。 そのような状況で、最近の市場を踏まえ、しっかりとメディア事業として育てることになったのです*。今回は、そのニュースアプリの派生として、はてなさんとコラボして「家電会議」というニュースコミュニティを立ち上げました。

    なぜ今「家電」? ソニー上木氏とはてな石田氏に「家電会議」の戦略と背景を聞く
  • 日本政府の「ロボット政策」まとめ、全省庁の予算から施策まで網羅して紹介

    ロボットと人工知能を切り口とし「Society5.0」を目指す安倍政権「未来投資会議」 2016年9月12日、総理大臣官邸で第1回「未来投資会議」が開催された。第1回のテーマは第4次産業革命による『建設現場の生産性革命』で、ドローンの活用やいわゆる「情報化施工」の格導入について議論されたようだ。生産性を2025年までに20%向上させるという。配布資料は未来投資会議のサイトで閲覧できる。 この未来投資会議は、既存の「産業競争力会議」と「未来投資に向けた官民対話」を発展的に統合して成長戦略の新たな司令塔とする、というのが目的だそうで、「成長戦略の課題と今後の検討事項」という資料によれば、「イノベーションと構造改革による社会変革(Society5.0)」を目指す3つの成長戦略の切り口があげられている。 そのうちの一つがロボットと人工知能で、「人工知能、ロボット、IoTなどの技術革新を社会実装し

    日本政府の「ロボット政策」まとめ、全省庁の予算から施策まで網羅して紹介
  • 中町信孝氏インタビュー:音楽を通して見えてくる「アラブの春」の成果とは?

    ──中町さんは、歴史研究がご専門ですが、なぜアラブのポピュラー音楽を書いたのでしょうか? 中町氏:おっしゃる通り、僕の専門は中世アラブの文化史、つまり古い歴史です。2000年から2002年にかけてエジプトのカイロに留学していたのですが、現地で生活しているあいだはなるべく現代の文化に触れようと決めていたんです。そこで同時代のポップスに注目し、ついでに歌詞を通じてアラビア語の勉強もしようと思いました。当時、自分のホームページを作ってヒット曲や面白いビデオクリップを日語で発信していました。 ──それは楽しそうですね。 中町氏:実際楽しくて、留学が終わってからも定点観測は続けました。そうすると、いわゆるメッセージソングのあり方がムバラク政権末期から2011年のエジプト革命にかけて大きく変化していることがわかってきたんです。これは実に興味深い動きだと思い、その変遷を1冊のにまとめた次第です。

    中町信孝氏インタビュー:音楽を通して見えてくる「アラブの春」の成果とは?
  • 岡本亮輔氏インタビュー:観光と信仰の交差する、現代の聖地巡礼をめぐって

    近年、観光資源や地域振興の観点から注目を集めている「聖地巡礼」。その現代の聖地について、宗教学の観点から検討・分析を行ったのが『聖地巡礼──世界遺産からアニメの舞台まで』(中公新書)だ。サンティアゴ巡礼や四国遍路、世界遺産、パワースポット、そしてアニメの舞台と多岐にわたる切り口からは、観光と信仰について従来とは異なる側面も見えてくる。書の狙いなどについて、著者の岡亮輔氏にお話をうかがった。 使徒ヤコブを祀った大聖堂と青森にあるキリストの墓 ──最初に『聖地巡礼』の執筆の動機についてうかがいます。岡さんは書の中で社会や個人にとって宗教の位置づけや関わり方が変化したため、聖地巡礼と観光というふたつの事象が交差している、と論じています。そうした点に注目するようになったきっかけなどについてお聞かせください。 岡氏:神や仏のような超越的存在を簡単に信じられなくなった現代社会において、いわゆ

    岡本亮輔氏インタビュー:観光と信仰の交差する、現代の聖地巡礼をめぐって
  • 町の書店が希少なものになっては困る──かもめブックスが目指す「雑誌のような書店」

    2014年11月29日、地下鉄東西線・神楽坂駅のほど近くに1軒の書店がオープンした。その名は、「かもめブックス」。校閲会社「鴎来堂」が手がける書店ということも話題になり、開店前から注目を集めていた。を作るうえでの一工程である校閲を専門とする会社が書店を開いた理由や、そのモチベーションについて、鴎来堂代表にして、かもめブックス店主 柳下 恭平氏にお話をうかがった。 危機意識が生んだ、校閲会社と書店 ──かもめブックスは、校閲会社が母体であることがユニークですよね。そもそも、どういった経緯で会社を起こされたんでしょうか? 柳下 恭平氏(以下、柳下氏)■校閲という仕事を知ったのは、当に偶然だったんです。ましてや、仕事にするなんて思ってもみませんでした。高校を卒業してから、言葉とコミュニケーションに関心を持っていたので、海外のいくつかの国で働いたり、ぶらぶら国から国へと渡り歩いていました。結局

    町の書店が希少なものになっては困る──かもめブックスが目指す「雑誌のような書店」
  • 【円堂都司昭氏インタビュー】ソーシャル・ネットワーク時代の音楽のトランスフォーム

    音楽の聴き方はもとより、触れ方までが大きく変化しつつある現状において、その実態や背景を論じた『ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ』(青土社)が話題だ。今、音楽の世界でどのようなことが起きているのか? 著者の文芸・音楽評論家である円堂都司昭氏に、音楽界のこれまでとこれから――その潮流についてお話をうかがった。 ──『ソーシャル化する音楽』は、ソーシャル・ネットワークが多くの人にとって当たり前のものとなった、ゼロ年代以降のポップミュージックの歩みや有り様について書かれたですよね。まずどこから着想を得たのでしょうか? 円堂都司昭氏(以下、円堂氏)■インターネットの「常時接続」と、複数の電子楽器を同期させて作るテクノ・ミュージックにおける「同期」をキーワードに、2003年時点での「つながっている」という感覚について書いた『YMOコンプレックス』(平凡社)という自著がありまして、その続編

    【円堂都司昭氏インタビュー】ソーシャル・ネットワーク時代の音楽のトランスフォーム
  • 【鈴木茂氏インタビュー】身の丈に合った出版活動と経営――話題の本・雑誌を続々と出す版元の底力に迫る

    音楽之友社の編集者・鈴木茂、木村元両氏によって2007年に立ち上げられたアルテスパブリッシングは、“音楽を愛する人のための出版社”として、ジャンルを問わず音楽をテーマとした批評、ガイド、研究書などを50冊刊行している。小規模・少部数でありながらコンスタントにヒット作を生み、2011年末には初の雑誌、季刊『アルテス』を創刊。小さな出版社の生きる道とは――代表の鈴木氏にお話を伺った。 「自分で作って自分で売る」が出版の基 ――音楽之友社を辞められたとき、自ら出版社を立ち上げようというお気持ちはあったんですか? 鈴木茂氏(以下、鈴木氏)■具体的なプランがあったわけではないのですが、会社員時代から、当時の同僚で僕と一緒にアルテスパブリッシングを立ち上げた木村元と「初版2000部でもコンスタントに売れる書籍をつくり続ければ、2人くらいならっていけるんじゃないか?」みたいな話はよくしていました。

    【鈴木茂氏インタビュー】身の丈に合った出版活動と経営――話題の本・雑誌を続々と出す版元の底力に迫る
  • 【多根清史氏インタビュー】“発想における進化”を名作ゲームから学び取れ!

    ――『教養としてのゲーム史』は、アクション、RPG(ロールプレイングゲーム)、SLG(シミュレーションゲーム)など、幅広い分野のなつかしのゲームが論じられています。そこから「ゲームの文脈における発想の進化」を浮き彫りにしようというのが書の狙いだと思うのですが、取り上げるゲームはどのように選ばれたのか改めてお教えいただけますか。 多根清史氏(以下、多根氏)■発想に進化を促す上で役割を果たすためには、やはり「メジャーであること」が第一条件ですね。どれほどよくできたゲームであれ、市場にあまり流通せず、人に知られることがなければ、大勢に影響をあたえることができませんから。 このの出発点がテニスゲームの『ポン』であるのも、その当時「最も売れていたゲーム」で「最も真似されたゲーム」だからです。ブロックくずしの『ブレイクアウト』も発想を歌取りした作品が多かったですし、『スペースインベーダー』もしか

    【多根清史氏インタビュー】“発想における進化”を名作ゲームから学び取れ!
  • 【速水健朗氏インタビュー】ラーメン神話解体――丼の中にたゆたう戦後日本史

    国民として君臨するラーメン。そのスープの1滴、麺の1から、戦後の経済史、社会史、メディア史を見通す。速水健朗氏の新著『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)は、ラーメンとナショナリズム、グローバリゼーションとの葛藤を詳密に読み解いた意欲作だ。3年半に及ぶ執筆期間に、いかにして論考を熟成させ、論点をトッピングしていったのか――著者の速水氏に伺った。 ラーメン文化を支えるのは評論家? ヤンキー? ――新著『ラーメンと愛国』は、ラーメンを通して戦後現代史をなぞる、知的興奮に満ちた1冊です。10月18日という刊行タイミングは、ラーメンガイドブックのリリースラッシュともちょうど重なりました。速水氏の読者層以外のラーメンフリークからも反響があったのでは? 速水健朗氏(以下、速水氏)■いやいや(笑)。「ラーメン」と冠したではありますが、激ウマなラーメン屋の情報についても書いていませんし、ラーメン史にエ

    【速水健朗氏インタビュー】ラーメン神話解体――丼の中にたゆたう戦後日本史
  • 【福島麻衣子氏・いしたにまさき氏インタビュー】アキバ・聖地巡礼・クラスター――多面的に日本の若者と文化を考える

    秋葉原のライブ&バー「ディアステージ」などを成功させ、注目を集める“もふくちゃん”こと福嶋麻衣子氏と、人気ブロガー・いしたにまさき氏が『日の若者は不幸じゃない』(ソフトバンク新書)という書籍を上梓した。秋葉原などを中心に全国各地で勃興している新しいビジネスやコミュニティのかたちを通して、日の若者の現在を考えた一冊である。書の狙いなどについてお二人に詳しくお話をうかがった。 コミュニティとクラスター ――まずは出版の経緯について教えて下さい。 いしたに氏■僕はもともと秋葉原ウォッチャーで、ここ数年の急激な変遷をいつか読み解かなきゃいけないと思っていたんです。そこで思いついたのが、もふくちゃんの活動を通して考えるという構成でした。秋葉原が大きく変わり始めたのは彼女が「ディアステージ」(福嶋氏が代表取締役を務めるモエ・ジャパン運営運営のライブ&バー。メジャーデビューした所属アイドルも多い。

    【福島麻衣子氏・いしたにまさき氏インタビュー】アキバ・聖地巡礼・クラスター――多面的に日本の若者と文化を考える
  • 【速水健朗氏・円堂都司昭氏インタビュー】バンドを通して組織のかたちを考える

    速水健朗、円堂都司昭、栗原裕一郎、大山くまお、成松哲の各氏の手になる『バンド臨終図巻』(河出書房新社)がこのたび刊行された。書は、古今東西、200組におよぶ音楽グループの解散の経緯を、膨大な資料にあたった上でまとめたもの。淡々とした記述の中に、ときおり皮肉な視点があったりとユニークな内容になっている。バンド解散からは一体、どんな人間関係の形が見えてくるのか? 担当編集者S氏にも同席していただき、著者を代表して速水、円堂両氏に話をうかがった。 バンドで語る“組織論” ――『バンド臨終図巻』、楽しく読んだのですが、いわゆる音楽書とはちょっと毛色が違いますね。 速水健朗氏(以下、速水氏)■生粋の音楽ライターではない人間が集まって書いていますしね。僕としては、組織論みたいなことをバンドで語れないかと思って企画したんです。これはまえがきでも書きましたけど、結成の理由はたいしてない……だいたい高校時

    【速水健朗氏・円堂都司昭氏インタビュー】バンドを通して組織のかたちを考える