では、いったいどんな人が児童虐待をしてしまうのでしょう。東京都保健福祉局の『児童虐待の実態』(白書)の概況(平成13年)によると、虐待につながると思われる家庭の状況は、以下のような順になっています。(1~5位のみ記載) 1位) 経済的な困難 2位) ひとり親家庭 3位) 夫婦間の不和 4位) 育児疲れ 5位) 親族・近隣・友人からの孤立 一般に、「虐待を受けた人は、子どもにも繰り返す」という世代間連鎖が信じられてきましたが、この白書によると生育歴のなかで被虐待経験を持つ人は約1割にすぎません。 また、「望まれずに出生」や「女性の社会進出」も虐待につながりやすいと考えられてきましたが、こらも高い値を示していません。つまり、過去の傷や風評に惑わされて、育児を恐れたり自信をなくす必要はないのです。また、こうしたことを理由に「だから、あの人は虐待するかも」などと先入観を持つのは、まったくの間違いで