金融商品の複雑化や消費者ニーズの多様化、そしてデータとテクノロジを活用した顧客体験を創出するフィンテック時代の到来。銀行のマーケティングを巡る環境はここ数年で大きく変化を遂げている。そのような中、長い歴史において地域に根付いた顧客エンゲージメントを創出してきた地方銀行のマーケティングは、どのように変わろうとしているのだろうか。 データやテクノロジをどのようにマーケティング施策や顧客エンゲージメントの創出に活かしているのか。そして、フィンテックのような新しい潮流からどのような顧客体験を生み出そうとしているのか。地方銀行最大手である横浜銀行の総合企画部 担当部長の加藤 毅氏にお話を伺った。 ゼロからのマーケティング研究 ――まずは、横浜銀行のマーケティングに対する基本的な考え方やこれまでの変遷などについて教えてください。 加藤氏:横浜銀行にとってのマーケティングは、2007年に地方銀行6行と共