36人が死亡、1人が行方不明になったヨッシーランドには津波の痕跡が今も残る 南相馬市原町区の介護老人保健施設「ヨッシーランド」は東日本大震災で津波に襲われ、36人が死亡、1人が行方不明になった。市が作成したハザードマップは、施設にまで津波が押し寄せることを想定していなかった。その時、何が起き、職員はどう動いたのか。関係者の証言から検証する。(敬称略) ■3月11日 【午後2時46分、東日本大震災が発生】 「ウィン、ウィン、ウィン」。携帯電話から突然、緊急地震速報の警告音が鳴った。事務所で書類確認をしていた事務長の小林敬一(61)は直後の激しい揺れに動転した。火災警報音がけたたましく響く。人の出入りがないのに自動ドアが激しく開閉した。揺れが収まると、廊下に出て叫んだ。「早く避難を。出入り口を全て開けろ」 敷地内には介護老人保健施設、訪問看護、在宅介護支援、認知症高齢者グループホームの各施設が