西部謙司著の「サッカー日本代表システム進化論」は監督を切り口として、日本代表の戦術の変遷を振り返った1冊だ。1984年の森ジャパンから、2010年の第2次岡田ジャパンまで、20数年の日本代表の歴史をまとめている。 その中で西部氏は、日本代表の監督選考の共通した特徴として次のような特徴を指摘している。 「日本協会の監督選びには、ある共通した特徴がある。前任者に足りなかったところを補う理由を挙げ、それを新監督を選んだ理由として説明してきたことだ。いや、選考理由をこじつけてきた。その結果、以前に監督を選考したときの理由はいつも忘れられてしまうのだ」 「外国人監督でなければダメ」という理由でオフトを選考したが、ファルカンを挟んで加茂監督に。オフトの後任にファルカンを据えたときは「修羅場をくぐっっている」監督をということだったが、その理由もすぐに忘れ去られた。 ファルカンの後任には「コミュニケーショ