有能なリーダーは不要なものを取り除こうとする 1940年8月、当時の英国首相、ウィンストン・チャーチルは、ドイツ戦闘機による攻撃に備えつつも、また別の敵への対応を開始した。その敵とは「長すぎる報告書」である。234語で記した「簡潔」というタイトルの文書で、チャーチルは戦時内閣のメンバーとそのスタッフに「報告書をもっと短くするよう気をつける」ことを要請した。チャーチルは「短く明瞭な文章」を書くことを求め、「複雑な議論や統計は補遺に移し」、「お役所言葉」の使用は止めるよう促した。 筆者らは8年間を費やして、チャーチルのようなリーダーが他者の時間の受託者としてどのように役割を果たしているのかを研究してきた。具体的には、社内の厄介なものが人々の熱意を削ぎ、健康を損ない、クリエイティビティや生産性を抑え込むのを、彼らがいかにして防ぎ、取り除いてきたかを調べてきたのである。 筆者らはこの研究を「フリク
![有能なリーダーは組織を「引き算」で活性化させる 増え続ける無駄を意図的に排除せよ | ロバート I. サットン,ハギー・ラオ | ["2024年7"]月号|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c1c114cbb9c3d6c467eaf04b440069b90881d01b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fdhbr2.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fd%2F5%2F-%2Fimg_d530b386b1d8be79de682010f5aa006b384244.jpg)