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ブックマーク / www.nippon.com (37)

  • 教科書が読めない子どもたち:AIに仕事を取られる前にすべきこと

    人工知能AI)が言葉の意味を理解していないことについては、先の記事でも書いた。それでは私たちは十分に言葉の意味を理解できているのだろうか? その疑問に答えるべく開発されたのが、読解力を測る「リーディングスキルテスト」だ。2017年11月のフォーラムで発表されたテストの仕組みと、危機感を覚えるその結果を踏まえ、主導した国立情報学研究所の新井紀子氏に聞いた。 新井 紀子 ARAI Noriko 国立情報学研究所教授、一般社団法人教育のための科学研究所代表理事・所長。一橋大学法学部卒業、イリノイ大学数学博士課程修了。専門は数理論理学。11年、「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクトを開始。16年より読解力を測定する「リーディングスキルテスト」の研究開発を手掛ける。主な著書に『数学は言葉』(東京図書)、『コンピュータが仕事を奪う』(日経済新聞出版社)など。近著に『AI vs. 教科書が読め

    教科書が読めない子どもたち:AIに仕事を取られる前にすべきこと
  • ネット世論の実態に迫る(下)

    立教大学木村研究室調査 2016年7・8月 関東・東海・関西圏16-70歳男女 有効回答数1100 もちろん、他のニュースポータルサイト(ミドルメディア)も、年代を問わず3分の1以上利用されており、スマートフォンでのニュースアプリ利用は、35歳以下のデジタルネイティブ(※1)層で3割を超えた。また、デジタルネイティブ層は、「まとめサイト」に半数近く、「動画サイトでの記事閲覧」、「2ちゃんねる」に3分の1程度アクセスしている。つまり、10代から30代では、前回紹介したメディア生態系が、ニュース接触の回路として日常生活に組み込まれている様子を見て取ることができる。 さらに、各種レビュー、コメントの書き込みも、若年層を中心に、一般的行為となりつつある。商品・サービスについては年代を問わず3割程度が書き込みをする。ここで争点となるのは、2ちゃんねる、匿名掲示板への書き込み、「拡散」「炎上」への参加

    ネット世論の実態に迫る(下)
    high190
    high190 2017/07/05
    "「ネット世論」をみる上で、日本社会では、twitterが大きな役割を果たしていると言える"
  • ネット世論の実態に迫る(上)

    ネット世論はいかにして形成されるのか。そこでは、なぜ「炎上」が起きるのか。多様な調査結果をもとに、インターネット研究の第一人者がネット住民の生態に迫る。 ネット世論はどのように形成されるのかインターネットが社会的に普及し始めた1990年代後半、サイバースペースに対して、新たな「公共圏」としての期待が生じた。それは、サイバースペースでは、オフラインにおける人間関係や社会経済的な地位に縛られず、また時間、場所の制約からも解き放たれて、自由闊達(かったつ)に議論ができる可能性が出てきたからである。こうした流れを受け、これまで「電子市民会議室」「パブリックコメント制度」「地域SNS」など、社会的に取り組むべき課題を明確にし、自由に意見交換、熟議を行い、社会的な合意形成、意思決定へとつなげていくオンライン空間構築の試みが活発化してきている。 しかし匿名制では、表情などの社会的な手がかりが乏しく、匿名

    ネット世論の実態に迫る(上)
    high190
    high190 2017/07/04
    “集団として先鋭化された意思決定がなされる「集団成極化」が起こりやすい”
  • 渋沢栄一:「公益の追求者」の足跡をたどる

    生涯に約500の企業設立・運営に携わったことで知られ、「日主義の父」と呼ばれる渋沢栄一。その一方で、関わった社会事業は約600にも上る。「公益」を第一に考え、「道徳経済合一説」を実践した人生を、渋沢史料館の展示とともに紹介する。 市場主義の反省で注目集める 日有数の桜の名所として知られる飛鳥山公園(東京都北区)。その園内南側に、渋沢栄一(1840〜1931年)が晩年を過ごした邸宅「曖依村荘(あいいそんそう)」跡がある。 渋沢史料館に隣接する旧渋沢庭園内にある栄一像 戦火を逃れて現存する建物は、賓客をもてなした洋風茶室「晩香廬(ばんこうろ)」と、図書館として建てられた「青淵文庫(せいえんぶんこ)」。両方とも国指定重要文化財となっている。渋沢の喜寿を祝い、現在の清水建設から寄贈された晩香廬は、今年で築100年を迎える。渋沢史料館はこの2つの大正建築を中心施設として始まり、1998年に資

    渋沢栄一:「公益の追求者」の足跡をたどる
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    high190 2017/04/20
    "公益を第一に考え、己の立場にはとらわれず、環境への順応力の高さを発揮した人生"
  • 国立大学で進む学部再編は一体何をもたらすのか

    国立大で、数十年ぶりの新学部設置などの学部再編ラッシュが進行中だ。キーワードは「文理融合」と「地域貢献」。文科省の考える重点支援に沿って各大学が動いた結果だが、最高学府としての存在意義を損なうことにならないのか。大学改革の影響について比較大学論を専門とする筆者が考察する。 学部再編の嵐「地域デザイン科学」「生物資源産業」「社会共創」「芸術地域デザイン」「地域資源創成」 いずれも2016年度に開設された国立大学の新学部名である(順に宇都宮、徳島、愛媛、佐賀、宮崎の各大学)。これらを含めて14の国立大学で学部が新設・改組された。さらに17年度には11の大学で学部の再構築が予定されている。このほか学科の新設・改組、入学定員の改訂、大学院研究科などの改編も相次ぎ、国立大学の研究教育組織の再編成が活発化している。 新設・改組された(る)学部の領域は多岐にわたるが、文理融合や地域貢献を標榜するものが目

    国立大学で進む学部再編は一体何をもたらすのか
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    high190 2017/03/20
    “政策に無批判に呼応するだけでは、学術の府としての大学の使命(ミッション)を、大学自ら損なうことになるのではないか”
  • イグノーベル賞を日本人が10年連続で受賞—そのカギは80年前にあり?

    世の中を笑わせ、考えさせる研究に贈られるイグノーベル賞。日は常連受賞国で、2007年から10年連続で受賞している。無意味に思える研究でもその後の大発見につながる可能性があるなど、科学研究の発想の自由さと日人研究者の関係について考察する。 迷路を解く粘菌 「バナナの皮を踏んだら当にすべるのか?」 「牛のフンからバニラの香り成分を抽出!」 イグノーベル賞はそんな愉快な研究に贈られる賞だ。ノーベル賞のパロディとして1991年に米国の出版社が設立して以来、「人々を笑わせ、考えさせる」ことを審査基準として毎年10件の研究に対して贈られてきた。 実は、これまでの26回の歴史の中で、日人が受賞していない年は7回しかない。とくに、2007年から16年までは10年連続で受賞。日はイグノーベル賞常連国なのだ。冒頭で紹介した2つの研究も、日人研究者が受賞したテーマである。その斬新な発想はどこから生ま

    イグノーベル賞を日本人が10年連続で受賞—そのカギは80年前にあり?
  • 世界大学ランキングの決まり方:順位は算出方法しだい

    「今後10年間で世界大学ランキングトップ100に10校以上を入れる」——。こんな国家目標を掲げる安倍政権だが、その数値目標は正しいものなのだろうか? 順位の算出方法をよく知る筆者は「ランキングに一喜一憂、右往左往すべきでない」と指摘する。 科学技術政策に入り込む世界大学ランキング ショッキングな記事が日経済新聞(2015年11月2日付朝刊)に掲載された。国は、今後5年間の科学技術政策の骨格を定める第5期科学技術計画に成果の数値目標を導入し、その数値目標となる指標の一つとして世界大学ランキングにおける日の大学の順位を採用する。そのような内容である。 12月10日の総合科学技術・イノベーション会議・基計画専門調査会で基計画の答申案とともに示された案では、世界大学ランキングは「大学に関する国際比較」に置き換えられているものの、それが何を意味するかははっきりしない。もし世界大学ランキン

    世界大学ランキングの決まり方:順位は算出方法しだい
    high190
    high190 2016/01/19
    “作成主体の考え方次第で大きく変動する世界大学ランキングに一喜一憂、右往左往する必要はなく、いわんやそれを数値目標として扱うのは問題である”
  • 人材育成:日本の大学の何が問題か

    博士号取得者の就職難(ポスドク問題)や法科大学院の“失敗”など、混乱が続く日の高等教育政策。一方、グローバル化を意識した入試改革が打ち出されるなど、大学そのものが新たな対応を迫られている。改革の焦点と背景を、文部科学行政のエキスパートが解説する。 15歳学力向上も、新制度導入では混乱まず日の文部科学政策立案の特徴について指摘しておきたい。文部科学省・教育委員会・学校の内部コミュニティで完結できる分野では成功していることも少なくないが、外部を含めて開放型の新制度を導入する場合に混乱することが多い。新たな教育を、どれくらいの数の学生が受けて、どのくらいが所期の成果をあげるのかといった歩留まりや量的イメージ、実現のための具体的な計画策定が十分でないままに新制度がスタートし、混乱が起きることが多いのである。 文部コミュニティの自己完結型の成功例としては、15歳の学力向上がある。OECDが3年ご

    人材育成:日本の大学の何が問題か
    high190
    high190 2016/01/18
    "米国を参考にできる点と参考にできない点を見極めながら、経路依存性も考慮し、新たな日本の大学経営モデルを考案し具現化することが喫緊の課題"
  • 「ジョブ型正社員」と日本型雇用システム

    政府の規制改革会議が6月5日に安倍首相に提出した答申に「ジョブ型正社員」(限定正社員)のルール整備が盛り込まれた。「ジョブ型正社員」提唱者の一人の濱口桂一郎氏(労働政策研究・研修機構)が、「ジョブ型」の意義と従来の日型雇用システムの問題点を解説。 今日の日の雇用・労働問題は、大学生の奇妙な「シューカツ」も、正社員のワークライフバランスの欠如も、非正規労働者の苦境も、すべて日型雇用システムの特殊性という一点に由来している。 日の正社員は「メンバーシップ型」 日以外の国々ではフルタイム勤務、無期契約、直接雇用の3つを満たせば正規労働者であるが、日では「当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が・・・変更されると見込まれるもの」(パートタイム労働法8条)でなければ日型正社員として認めてくれない。雇用契約において、職務や勤務条件が詳細に明記された「

    「ジョブ型正社員」と日本型雇用システム
  • 大学入試改革:その必要性と狙い

    の大学入試制度と高校教育のあり方が、大きく変わろうとしている。少子化による入学者選抜の変容に加え、グローバル化対応が不十分との危機感が背景にある。 高校、大学教育を一体的に改革 2014年12月、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会(以下「中教審」)は、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」答申した。翌2015年1月、文部科学省は答申を踏まえ、「高大接続改革実行プラン」を策定し、答申を具体化するための検討を進めている。 今回の改革は、その題名が示す通り、高校教育、大学教育及びそれらを接続する大学入学者選抜の一体的な改革を進めようとするものである。 国が新たに2種類のテスト導入 国レベルで2種類のテストを導入する。1つは、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」である。高校生が自らの高校教育における基礎的な学習の達成度を把握し

    大学入試改革:その必要性と狙い
  • 生き残りへ大学“戦国時代”—迫られる人口減対策とグローバル対応

    若者には悲喜こもごもの受験シーズン。しかし、戦々恐々としているのは受験生だけではない。大学側も厳しい“戦国時代”を迎えている。高等研究教育機関としてグローバル化の荒波に対応しながら、国内では人口減少問題に直面しているためだ。この両者への取り組みが大学の生き残りのために求められている。 学生数の減少が大学経営を直撃文部科学省の「大学基調査」によると、18歳人口は戦後、「団塊の世代」が18歳を迎えた1966年に249万人のピークを迎えた。その後、減少したあと盛り返したが、団塊ジュニアの多くが高校を卒業した1992年の205万人から、2014年には118万人まで減少した。最近の数年は横ばい状態だったが、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では18年ころから再び減少傾向を強め、31年には99万人と100万人を下回るという。 一方、大学進学状況(就学率)はどうか。 大学・短期大学を合わせた就学率

    生き残りへ大学“戦国時代”—迫られる人口減対策とグローバル対応
  • MOOC(大規模公開オンライン授業)は国境を超えるか——東京大学教授・藤原帰一インタビュー

    大規模公開オンライン講座(MOOC)が世界中で注目を集めており、2013年には東京大学でもオンライン講義配信を開始した。MOOCの目指す「高等教育を広く人々の元へ」という理念は実現されていくのか。講義を担当した東京大学大学院教授・藤原帰一教授が語る。 藤原 帰一 FUJIWARA Kiichi 東京大学大学院法学政治学研究科教授。専門は国際政治、東南アジア政治。1956年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得中退。大学院在学中にフルブライト奨学生としてイェール大学大学院に留学。ウッドロー・ウィルソンセンター研究員、千葉大学助教授などを経て現職。著書に『新編 平和のリアリズム』(岩波現代文庫/2010年)、『戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在』[kindle版](講談社現代新書/2013年)、『戦争の条件』(集英社新書/2013年)など。 東京大学が2013年からMOOC配信を開始 大

    MOOC(大規模公開オンライン授業)は国境を超えるか——東京大学教授・藤原帰一インタビュー
    high190
    high190 2014/06/13
    「今後の傾向として、大学の補助教材という位置付けでMOOCは固定化されていくでしょう」
  • STAP論文騒動の背景を探る:「愛されすぎた」小保方氏

    STAP細胞論文をめぐる騒動はサイエンスの枠を超え、現代日社会の風潮をも浮き彫りにする機会となった。一連の経過から浮かび上がった論点を、メディア社会学者の武田徹・恵泉女学園大教授が解説する。 女性研究者の「キャラ」に世間は注目 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターによるSTAP細胞生成成功のニュースが初めて流れたのは1月29日。翌日に名門科学誌『ネイチャー』へ論文が掲載されることを予告し、論文主執筆者である小保方晴子ユニットリーダーと、彼女の研究の概要を紹介する内容だった。 山中伸弥・京都大学教授がその生成によってノーベル賞を獲得したiPS細胞が、複雑な遺伝子操作によって多能性を持たせていたのに対して、酸処理だけで体細胞を万能細胞にリセットする単純さは医学、生物学関係者に衝撃を与えた。だが一般社会が関心を持ったのはそれよりも、小保方晴子氏という若い女性研究者のキャラクターであった

    STAP論文騒動の背景を探る:「愛されすぎた」小保方氏
  • 「国際競争力」の幻想に惑わされた日本の大学改革

    国際競争力強化が日の大学の課題とされているが、「リアル」と「想像上」の競争のギャップを認識しなければ、真の大学改革には効果がない。オックスフォード大学の苅谷剛彦教授が大学の「グローバル化戦略」の盲点を突く。 大学の国際競争力をテーマに、日の大学について論じる場合、なぜ国際競争力が問題なのかを議論しておく必要がある。特に、英国と比較する場合、国際競争力が問題となるコンテクスト自体が大きく異なることに目を向けることが重要となる。そのことを明らかにしておかなければ、比較もできなければ、比較の結果に意味を持たせることもできない。 「リアル」と「想像上」の国際競争 はじめに「大学」の国際競争力がなぜ問題となるのかを、他の分野と比べることで明確にしておこう。例えば、ある国の企業群の生産性、政府の外交力・軍事力、あるいは一国の先端的な科学技術の水準といった領域において、その国の企業や政府、科学技術

    「国際競争力」の幻想に惑わされた日本の大学改革
    high190
    high190 2014/02/13
    「今の日本の大学は、必要に迫られるリアルな競争と、不必要なそれとの区別ができない。そこに混乱と非効率な資源配分を生む問題の芽がある。」
  • 東京大学の国際化と国際競争力強化への取り組み

    出所:『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』World Reputation Rankings 研究の国際化-学際的・最先端研究体制の構築狙う カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU) 村山斉 機構長・特任教授 宇宙の謎の解明に数学者、物理学者、天文学者が協力して取り組む、世界でも例のない研究所のトップ。Kavli IPMUに集まる外国人研究者の日での生活の支援などに尽力している。 東大は、部局を超えてダイナミックに学際的・最先端の研究体制を構築するために、2011年に国際高等研究所を設立した。最初の研究ユニットは、2007年に発足したカブリ数物連携宇宙研究機構である(2012年に米カブリ財団の寄付を受けて、カブリの名を冠するようになった)。機構長の村山斉(ひとし)特任教授(東大とカリフォルニア大学バークレー校との兼任)の下で、宇宙の起源や未来に関する根源的な研究に取り組んで

    東京大学の国際化と国際競争力強化への取り組み
    high190
    high190 2014/02/10
    「ランキングにこだわることなく、大学の戦略や中期計画に沿った取り組みを着実に進め、国際化を推進することが、取りも直さず国際競争力の向上につながると確信」
  • 「アカデミック・ガバナンス」改革と国立大学ベンチャーファンドの行方

    “旧態依然”の運営にさらなる改革を迫られる日の大学。改革の実現を阻む真の原因は何か。上山隆大・慶応義塾大学総合政策学部教授が分析する。 企業人からの大学運営に対する厳しい批判 2013年6月から7回にわたり、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の大学分科会組織運営部会において、国立大学を中心とする日の大学のガバナンス改革について議論がなされてきた。その結果として、12月24日に答申がまとめられた。 日私立学校振興・共済事業団理事長の河田悌一氏(元・関西大学学長)を座長としたこの会合では、学界および実業界の有識者が集まり、日の大学の硬直化した組織をどのように改革すべきかについて活発な議論が交わされてきた。何よりも問題となったのは、旧態依然として変わらない大学の運営システムに対する強い批判である。実業界のメンバーからは、日の大学は社会からの付託に応えていないばかりか、そもそも健全な

    「アカデミック・ガバナンス」改革と国立大学ベンチャーファンドの行方
    high190
    high190 2014/01/31
    「政策とは、それに関わるアクターたちのインセンティブを見極め、彼らの積極的な行動を促すことができるような組織の環境作りから始める必要」
  • グローバル化と日本の大学改革―国際競争力強化への課題

    1990年代から約20年にわたって、日の大学はいくつもの制度・組織改革を経験してきた。グローバル化などへの対応として始まった日の大学改革の経緯と今後の課題を天野郁夫・東京大学名誉教授が論じる。 第2次世界大戦後の1948年、米国の占領下に新しい大学制度が発足してから半世紀余りを経て、日の大学はいま再び大きな変革の渦中にある。1990年代に入るころから始まった改革の嵐は、2010年代のいまも大学の世界を吹き荒れている。なぜ、大学改革なのか。その理由としては、3つの国際的なメガトレンドと、3つの国内的な変動要因を挙げることができるだろう。 3つのメガトレンド―「ユニバーサル化」「市場化」「グローバル化」 メガトレンドの第1は高等教育のユニバーサル化(universalization)である。米国の社会学者マーチン・トロウによれば、高等教育は同年齢人口比で見た就学率15%と50%を指標に、

    グローバル化と日本の大学改革―国際競争力強化への課題
    high190
    high190 2014/01/28
    良記事「制度の柔軟性や多様性をもたらすことなく、序列化の一層進んだ、より傾斜の大きいピラミッド状の高等教育の構造を拡大再生産するにとどまるのではないか」