体調が悪くて朝起きられず、学校に行けない――。そんな子どもは「起立性調節障害」(OD)という病気かもしれません。一般的には思春期に発症し、春から夏にかけて症状が強まる傾向があります。怠け癖や夜更かしのせいだと決めつけず、病気を理解することが大切です。 東京都内の高校2年生の女子生徒(16)の体に異変が現れたのは、中学3年の春ごろだった。朝、ベッドの中で目が覚めても体がだるくて起き上がるのがつらい。やっと起き上がっても動悸(どうき)がして息苦しく、登校中に坂道で座り込んでしまいたいほどだった。 「インフルエンザで高熱が出た時みたいにだるい。気持ちは、部活にも学校にも行きたいのに、体はずっと寝込んでいたいぐらいつらい」 バレー部に所属していたが、午後から登校する日や欠席する日が増えた。近所の小児科を受診すると、ODの疑いがあるという。その年の冬、大学病院の小児科で最終的にODと診断された。 「