京都市営地下鉄烏丸線の烏丸御池駅で電車を待つと、転落防止用のホームドア前でピタリと止まる。自動で停車しているのかと思いきや、実は「運転士の腕」で止めているのだ。 全17駅でホームドアのある東西線は1997年の開業から、車両にATO(自動列車運転装置)が装備され、発進から停車まで自動運転される。手動だと停車位置がずれる恐れがあり、ダイヤが乱れるためだ。全国的にもホームドアとATOはセットで整備するのが通例となっている。 一方、81年開業の烏丸線では長らくホームドアはなく、2011年に国から設置を求められた。交通局は悩んだ。ATOを導入すれば100億円近い費用が掛かる。多額の借金を抱える局にそんな余裕はない。「運転士に頑張ってもらおう」ということになり、ATOなしで14~15年、昇降客の多い京都、四条、烏丸御池の3駅に設置された。 ただ、停車位置から70センチ以上ずれるとドアは開かない。このた