約3万年前のシベリアの永久凍土から採取した土壌から新種のウイルスを見つけた、とフランス国立科学研究センター(CNRS)などの研究チームが発表した。微生物に感染し、増殖する能力が残っていたという。 米科学アカデミー紀要(電子版)に論文が掲載された。このウイルスは、風邪の主な原因とされるアデノウイルスや、インフルエンザウイルスより7倍ほど大きく、大腸菌の約半分にあたる長さ0・6マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。光学顕微鏡でも観察できる。 人や動物には感染しないが、特定の微生物には感染し、その細胞内で増えることが確認された。研究チームは昨年、同じ土壌のサンプルから別の新種ウイルスを見つけており、永久凍土には未知のウイルスが多数眠っている可能性があるという。 すべてのウイルスが冬眠状態で生き続けられるとは限らないが、温暖化の影響で永久凍土が溶けたり、北極周辺などで原油採掘が進んだりする