世界中で「自動運転車」が公道を走り始めている。技術が進めば、格安の「無人タクシー」が街中を走り回るようになる。そのとき「46%の自動車が不要になる」という試算がある。多くの人がクルマを保有しなくなったとき、完成車メーカーは生き残れるだろうか。ボストンで自動運転の実証実験に取り組んでいるコンサルティング会社が最新状況を踏まえて考察する――。(後編、全2回) ■過疎地では自治体が、都市部ではBtoBが先導する 自動運転車がもたらすメリットは、ドライバーの負担が減ることばかりではない。社会全体の交通システムにも大きな変革をもたらす。自動運転車を含む複合的な交通システムの将来について、ボストン コンサルティング グループ(BCG)は世界経済フォーラム(WEF)と共同で以下の4つのシナリオを作り、その影響を分析している(図表1)。 シナリオ1:プレミアムカーとして普及 シナリオ2:幅広く普及 シナリ