商標の登録対象拡大について議論している経済産業相の諮問機関、産業構造審議会のワーキンググループは9日、音声や色、動画を登録対象にするよう求める報告書案をまとめた。特許庁は今月から広く意見を募り、早ければ来年の通常国会での商標法改正につなげる。日本の商標法は文字や図形など静止しているものしか商標登録が認められていない。欧米では商品や企業名を印象づける音や動画のほか、香りや触感、味までも商標登録として認められるケースもあるが、ワーキンググループは香りやにおい、触感、味などは対象外とした。登録できるようになるのは、テレビやパソコンなどの画面で動く図形、写真などを立体的にみせるホログラム、企業名や商品名を印象づける音声、商品の特定の位置に単純な図形が付される位置指標などに限られる。色のみの商標も対象になるが識別力があるケースに限られる見込み。