部下をいかに上手にマネジメントするか。この重要テーマを扱った啓発書は星の数ほどある。本書の独自性は、主張の徹底ぶりと、著者への信頼感にあるといえるだろう。 「営業は、こちらに興味のないお客さまの心を、いかに振り向かせるかが勝負です。上司と部下の関係も同じです」。自動車セールスの世界で驚異的な実績を挙げた著者は、こうさらりと言い切る。 部下に声をかけるときは、必ず「○○さん」と名前を呼んでから話す。自分の成功体験を話すのではなく、相手の悩みに「わかるよ。自分もそうだった」と共感を示してから、アドバイスをする。このあたりはまだ、「なるほどやってみようか」という気にもなりやすい。しかし、失敗した部下に対する以下のような対処はどうか。 「あなたにもっとアドバイスすればよかった。そうできなくてごめんなさい」「私がその場にいればお手伝いできたのに。これは私のミスでもあります。申し訳ないです」
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