宇多田ヒカルの新曲「花束を君に」と「真夏の通り雨」が4月15日に配信をスタートした。新曲としては2012年11月に配信限定で発表された「桜流し」以来約3年半ぶり。2010年に宇多田自身によって発表された「アーティスト活動」の休止と「人間活動」への専念は様々な反響を呼んだが、それから5年。再び音楽の世界に降臨した歌姫は果たしてどこへ向かうのか? 「人間活動」で得たものとは何か、最新曲を通して紐解いていく。 ◆母となり慈しみに満ちた愛情を感じさせる“柔らかな歌声” 「花束を君に」(NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』主題歌)と「真夏の通り雨」(日本テレビ系『NEWS ZERO』テーマ曲)はいずれもがテレビ番組のテーマ曲として既に多くの人の耳に届いていると思うが、その歌声を聴いて感じる第一印象は「歌声の柔らかさ」だ。ピアノを基調としたシンプルなアレンジに乗って滑り込んでくる導入部から受けるのは、